クラシック、オペラの粋を極める!

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2013/11/16 コンセルトヘボウ管

指揮  マリス・ヤンソンス
ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第3番
 
 
ゴージャス!!! BRILLIANT!!
英雄の生涯では、ホールが類まれなる壮麗な響きに包まれた。豊かな音響の渦に身を置く幸福感!
ああ、いつまでもこの空間に浸っていたい、と思うのに、どうして陶酔の時間はあっという間に過ぎ去っていってしまうのか!
 
 
それにしてもコンセルトヘボウ管・・・。
それぞれの楽器が、まあよく鳴ること!
「英雄の敵」の場面で木管楽器群によるけたたましい響きは、あまりの大きさに思わず腰を抜かしてしまったし、コンマスによる「英雄の伴侶」のソロもとびきり上手かった。
これらの個々の優れた技術が、合奏になると決して全体から飛び抜けず、絶妙のブレンド感を構成する。その音色はみずみずしく、かつ輝かしい力感を湛えている。
 
ヤンソンスの音楽づくりも見事だった。玉石混淆になりかねない複雑なスコアを整然と読み取り、多層的な音響の中から主要部分を浮かび上がらせる手法は、信じられないの一言。
 一番最後の部分、管楽器の強奏の後にディミヌエンドとなり、金管の壮麗な響きから木管の柔らかい響きに移行した瞬間の鮮やかな変化は、もう魔法としか思えなかった。
 
 
改めて感じ入ったが、ウィーン・フィルとはまた違った響きだ。
優劣をつけるつもりはまったくないが、連日で聴けばその違いは明るみに出る。歴史、成り立ち、伝統、風土、ホール、奏法、技術の伝承などがそれぞれ独自の音色を醸成させているのだろう。だが果たしてそれだけだろうか。
ひょっとして、音楽の神様が操作しているのではないだろうか。神様の恩寵で、神様のさじ加減で、比類ない音色が作られているのではないだろうか。
だとしたら、手を合わせずにはいられない。おお!神よ!
 
 
今日はこれからウィーン・フィルの第9。そして明日はベルリン・フィル。それにしても、とんでもない日々だ。ひょっとすると、一生に一度の稀有で貴重な体験かもしれない。