クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/7/13 エクサン・プロヴァンス2

 郊外に足を伸ばしたくて、レンタサイクル予約した。この街が生んだ偉大な画家セザンヌが彼方に眺め、何度もキャンバスに描いたサント・ヴィクトワール山を望む風景を、私も是非この目で見たかったのだ。
 そのサント・ヴィクトワール山までは市の中心部からおよそ12キロ。そこに至るまでの街道は「セザンヌの道」と呼ばれている。山に少しでも近づいて雄大な景色を味わうのが目的なので、麓まで行くつもりはない。それならばせいぜい7、8キロ程度。自転車で十分だ。初夏の風を切って楽しむ郊外サイクリングはさぞや気持ちいいだろうと思った・・・の・・だが・・
 
 あ・ま・か・っ・た !!
 
 その前にまず、自転車屋さんからレンタルした際の話を。
 当日、開店時間である午前9時から借りる予約をしたため、8時55分にお店に出向いた。お店は固くシャッターが降ろされていた。
9時、9時5分、9時10分・・・お店が開く気配はまっっったくなし。
普通の日本人なら、訝しがり、そして苛立つことだろう。「いったいどういうことだ?」とな。
だが、私は数え切れないくらいこういう経験をしている。これが日常茶飯事であることを知っている。これがフランスという国なのだ。
 
 9時20分、店長らしき人が自転車に乗って颯爽と登場した。
 普通なら、日本なら、真っ青な顔をして「お待たせしてしまいました。誠に申し訳ありませんっ。」と直ちに詫びることであろう。
 この店長、私の顔を見てにこやかに一言。「ボンジュ~ル♪」
 彼に「開店時間が遅れてしまった。」「お客さんを待たせてしまった。」という意識はない。皆無。ゼロ。そういう連中なのだ。そういう国なのだ。こちらがイライラするだけ損なのだ。
 
 ちなみに今回のレンタルだが、エクサン・プロヴァンス市観光局のHPの英語版から見つけて、ネット予約した。半日間(5時間)の借用で10ユーロ(デポジットが200ユーロ)。ヘルメット、ベルト式の鍵、携帯式ポンプなどが付属品として無料で付いた。
 
 ま、とにかく無事に自転車をレンタルし、勢いよくお店を飛び出して郊外に向かう。
 
いきなり困難に直面した。
道中アップダウンの連続なのだ。
 
下りはいい。黙っていても進むからな。上りがとにかく大変だ。
街から離れれば離れるほど、どんどんその傾斜がきつくなる。坂なんてもんじゃない。こりゃ完全に丘越えだ。
そりゃそうだよなあ。山に向かっているんだもんなあ。当たり前だよなあ。
 
 もちろんギアをチェンジしながら対応を図るのだが、全然前に進まない。徐々に腿が張ってくる。次第に息が切れて、はあはあゼイゼイ言い出す。そしてみるみるうちに汗にまみれてくる。くそー。
 その間、本格的なスポーツウェアに身を包んだロードレーサーたちが、ビューッと私を追い越していく。くそー。
 で、肝心のサント・ヴィクトワール山は、木々に遮られてなかなか見えない。くそー。
 
 やばい・・。本当にやばい。このままでは激しく消耗するだけだ。
 一体何やってんだよ、オレはよ。どうすんだよ。オペラが控えているんだぞ。疲れて寝ちゃうじゃんかよ。
 
45分くらい走っただろうか。もう限界。あえなく断念。引き返すことにした。
 
 いちおう写真は撮ったぜ。どうだ!美しいだろ!
 
イメージ 1
 
 うーん、ちょっと逆光だなあ・・・。
 
 
 ちなみにこちらがセザンヌが描いたやつ。
イメージ 2
 
 
 
 ついでに付近の自然の風景も添えたる。
 
イメージ 3
 
イメージ 4
 
 
 引き返し、もうすぐエクス市内に入ろうかというところで、売店を発見。外からガラスのドア越しにドリンクの冷蔵庫が見えた。すかさず自転車を停める。フラフラとお店に侵入。冷蔵庫を開けて取り出したるは、黄金の清涼飲料水ハイネケン缶ビール500ml。店を出た瞬間にプシュッと開けて一気に喉に流し込んだ。
 
ぷっはぁあああー、うっめえー!!(笑)
 
ん? なんだって? たとえ自転車でも飲酒運転だろうって?
シャラップ。勘弁してくれ。頼むから見逃してくれ。
 
午前11時45分、予定より早く自転車を返却。もう十分、もう結構。
それよりも体力を回復させなければ! 昼メシだ! 体が肉を欲している。 肉だ! 肉食うぞ!
 
なぜかイタリアン・レストランに入って、牛フィレステーキ食った。
「どうしてまた、イタリアンでステーキ?」とか、お願いだからあまり突っ込まないでほしい。要するにどこでも良かったのだ。そこんとこ、温かく理解してもらいたい。
 
午後1時半、ホテルに戻る。オペラは午後5時からなので、2時間半くらい仮眠した。
 
次回はレンタカーにしよっと。