クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/2/10 帰国

 ルフトハンザから帰国便に関するメール連絡が来た。全日空に対して便の変更を申し立てたところ、きちんと応じてくれて、要望どおりルフトハンザ便にしてくれた。その結果、到着は羽田ではなく、成田になった。タイムスケジュールは以下のとおりとなった。
11:00  アムステルダム発   12:15  フランクフルト着
13:25  フランクフルト発   翌08:35  成田着
 
これで一安心・・のはずだった。
 
帰国当日の朝。
目覚まし時計は午前6時半にセットしていたのだが、それよりも早く午前5時半に目が覚めた。(これもきっと、私自身の危機回避信号の点滅によるものだったに違いない。)
 
カーテンを開け、まだ真っ暗な窓の外を覗く。
仰天し、思わず目が点になり、息を呑んだ。
窓の外は、一面真っ白だった・・・。
雪が降っている。しんしんと降り続いている。路面も屋根も完全に雪に覆われている。
 
頭を抱えた。暗澹たる気持ちになった。これは飛行機が遅延する。ほぼ間違いなく。
これまで冬期にヨーロッパに旅行し、そこで積もるほどの雪に遭遇した時、飛行機が物ともせずに定刻どおりに飛んだという記憶はない。全くない。必ずと言っていいほど遅延している。
 
上記のスケジュールのとおり、フランクフルト国際空港での乗継時間は1時間10分。30分程度の遅延ならギリギリ乗り継げるかもしれないが、それ以上なら微妙もしくはアウトだ。
っていうか、遅延どころかキャンセルになる可能性だって大ありである。
 
 私は職場の上司にメールを書いた。
「雪が降り、積もっています。遅延の可能性が高いです。もし乗り継ぎができないと、帰国が翌日に回されてしまいます。今後も連絡できるタイミングでメールもしくは電話しようと思いますが、出来ない場合もありますので、もし週明けに私が通常出勤出来ていなかったら、そういう事情だと承知してくれませんでしょうか?」
 
 メールを送信したら、なんか落ち着いた。もちろん遅延と決まったわけではないが、もうすっかり諦めの境地。覚悟はできた。もう仕方がないのである。どうしようもないのである。
 私はテレビを付け、ベッドに足を投げ出しながら、言葉が全然理解できないオランダ局の番組をボーッと眺めていた。
 
 その時!突然頭の中でランプが灯った。ガバっと立ち上がり、慌ててシャワーを浴び、速攻で荷造りし、あっという間にホテルをチェックアウトした。その間わずか30分。そして、雪の中ダッシュアムステルダムスキポール空港に向かった。
 
いったい私は何を思い立ったか。
一便早い飛行機にチェンジしてもらおうと考えたのだ。
もちろん通常は変更不可だ。だが、往路の飛行機だって結果的に変更してくれた。「雪が降って遅延の可能性が高まり、その結果、乗継出来ない可能性がある」というのは十分な言い分になると思った。交渉してみる価値はあろう。
 
 午前7時半に空港に着。一目散にルフトハンザのチェックインカウンターに向かった。カウンターに到着すると、私は係員に事情を説明し、「お願いです。ぷりーず!」と頼み込んだ。もう、手を合わせて懇願したい気分だった。
 
 係員は大きく頷き、対応してくれた。該当するフライトの座席状況を確認し、空席の存在を見つけると、「OK!」と変更してくれた。やった~!
 
 変更されたフライトは当初より2時間早い8時55分発。8時20分に搭乗開始となるので、「すぐにゲートに向かってください。」と言われた。「分かりました! Thank you! ダンケ・シェーン!」
 
 いや助かったと思った。これで3時間の余裕を作り出すことが出来た。大丈夫だろう。
 
 夜が明け、明るくなってきて、外の様子、空の様子を確認できるようになってきた。どうやら雪は止みそうだ。だが、あたり一面たっぷり積もっていて、あちこちで路面の除雪作業、飛行機に付着した雪を噴射機で落とす作業などが行われていた。
 
 そして、案の定というか、遅延となった。フライト情報の8時55分発フランクフルト便がディレイ表示に変わった。ああやっぱり・・・。
 変更後の出発時刻は9時35分、搭乗時間は8時55分。大丈夫。全然余裕、ちょー余裕。
 
 9時、9時半・・・一向に搭乗が始まらない。むむむ・・・大丈夫、余裕・・・なはず・・。でも、頼む、早く飛行機に乗せてくれ~。早く安心させてくれ~。
 
 それにしても、今回の旅行は最初から最後まで飛行機の心配に悩まされた。(ついでに電車も。)せっかくオペラを堪能出来たのに。
 飛行機はまあ大丈夫だろう。多分。でもとにかく早くホッとして落ち着きたい。くそー。
 
 そうだ!フランクフルトに着いたらドイツビールだ!空港内のBARでしこたま飲んでやろう。大好きなヴァイツェンビールだ!ううっ、喉が鳴るぜ。だから早く!は・や・く!!
 
 午前10時5分ようやく搭乗開始。10時25分出発。11時半フランクフルト着。成田行きの飛行機が予定どおりであることを確認したところで、ようやく肩の力が抜けた。
 
こうしちゃおれん。ビールだ!ドイツビールだ!
ジョッキ3杯も飲んでしもうた。飛行機に乗り込んだ時点でかなりフラフラだった。おかげで機内で熟睡でき、あっという間に日本に着きました。
 
おわり。