2012年4月1日 新国立劇場
指揮 ジャン・レイサム・ケーニック
演出 マリオ・マルトーネ
4月から職場の配属先が変り、このため3月末から今週にかけて非常に忙しかった。歓送迎会などの飲み会も多かったし。
ということで、ブログの更新が一週間以上開いてしまい、この公演の鑑賞記もやっと書くことが出来た。
・・・・えーーーと・・・。
一週間も前のことだと、何から書いていいのかさえも分からなくなってくる(笑)。
とりあえずこの公演を鑑賞して、一番いいなと思ったのは合唱。第一幕冒頭の嵐の場面における迫力がすごかった。
次にいいなと思ったのは、指揮者ジャン・レイサム・ケーニックによる音楽全体のまとまり。小気味良いテンポが展開の早い物語にうまくマッチし、なおかつドラマチックに仕立て上がっていた。東フィルも‘今回は’良かったと思う。
歌手の中ではデズデモナを歌ったボルシが良かった。前回の来日では、同じくこの劇場でコシ・ファン・トゥッテのフィオルディリージを歌ったのだが、その時は正直それほどインパクトを感じなかった。だが、発声がとてもしなやかで美しく、デズデモナの清楚なイメージにぴったりで、見なおした。
タイトルロールのフラッカーロはまあまあ。これまでに何度も聞いているが、いつものとおり。期待以上でも以下でもない。
イヤーゴのババジャニアンについては、ひょっとすると評価が分かれるかも。歌はともかく、表情がポーカーフェイスなので、演技が一本調子のように見える。表に出さない内に秘めた悪を演じようとしたのかもしれないが、私は憎々しいイヤーゴの方が好きだ。初演キャストのルーチョ・ガッロの方がいかにも悪人ぽくて、味があった。
演出については、今回は再演だったこともあるので、特にコメントなし。
さて、今回の鑑賞は、「クラシックファンでも何でもない普通の友人Tくんを誘って、オペラの面白さに気がついてもらおう」プロジェクト第三弾であった。(第一弾はカルメン、第二弾は椿姫だった。)
初心者の人にとってオテロという作品がふさわしいかどうかはよく分からないが、原典はシェークスピアで物語としては面白いし、数あるオペラ作品の中でも傑作の部類に入るのは間違いないので、誘ってみた。かつてミラノに行ってスカラ座で椿姫を一緒に見たオペラ中級者のKくんと3人で鑑賞。
当日、午後2時開演のために午後1時に待ち合わせをし、お茶でもしようと近くのマクドナルドに入ると、二人は「昼食ってねえー」とハンバーグとポテトをパクパク。あ~あ、鑑賞前に空腹を満たすとどいうことになるか・・・。
案の定、お二人はところどころでコクリコクリ(笑)。
食後、心地よい音楽、暗い客席、暖かい空調・・・これじゃ眠くなるのも仕方ないか。
大のG党のTくん。幕間の休憩時には、やはりと言おうか、携帯のネットで巨人戦の動向のチェックに余念がなかった。
彼をオペラファンに仕立て上げるのは、これは相当長い道のりを要しそうだ。