「そこの野郎ども! ブルヲタども! スクロヴァのブルックナーであるぞ。とっとと集まらんかい!!」
ひっひっひ。集まった集まった(笑)。
年齢は20代後半から50代。一人での来場者多数。女にモテず、‘彼女なし’多数(推定)。自宅のステレオで聞いているのは古くて録音の悪いクナッパーツブッシュ盤。音楽聞いて精神性のなんたらを語るのが好き。「チェリビダッケはすごかった。ヴァントもすごかった。」と聞いていないヤツに自慢気に語るのが好き。小澤征爾のことを「オザワ」と呼び捨てするのに、朝比奈隆のことを「朝比奈先生」と呼ぶ。世間から何と言われようが知ったことか。低俗なオマエらには音楽の真髄など分からんだろ。
あ~キモい(笑)。
あ、オレもそのうちの一人か・・・。
いや、お願いだから否定をさせてくれ。オレは決してブルヲタではない。単なるクラシック好き。チェリも朝比奈も全く崇拝していないもん。
ただ、スクロヴァのブルックナーは一聴の価値があると思っている。諸君はザールブリュッケン放送交響楽団と録音したブルックナー全集を聞いたか?あれは本当に腰を抜かすで。文句なしの名演。ああいう演奏を生で聴ければ最高だ。
ということで、私もこっそり会場入り。信者と間違えられないように、男子トイレの長蛇の列には並びませんでした(笑)。
それにしても、スクロヴァ先生(あ、『先生』って言ってしもうた)のなんと矍鑠(かくしゃく)としていること!御年88歳だというのに、椅子に座らず立って指揮ですよ。しかも暗譜。すごいなあ。腕の振りも鋭敏で、テンポもいたってきびきびと刻む。巨匠指揮者にありがちな悠久の間延びは皆無。黄昏、哀愁とは無縁の若々しい演奏。頭の中にはっきりと「あるべき形」が存在していて、それを余すところなくタクトで表現している。素晴らしいではないか!