クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

さらば新国立劇場

ピーター・グライムズ(新制作-ただしレンタル)」、「トスカ」、「セヴィリアの理髪師」、「タンホイザー」、「愛の妙薬」、「アイーダ」、「魔笛」、「ナブッコ(新制作)」、「コシ・ファン・トゥッテ」、「邦人作品」。
 
これが開場15周年記念を迎える来シーズンの新国立劇場のラインナップだってさ・・・。
 
「芸術監督が厳選した意欲的な演目」だってさ。
 
プッっ、冗談だよね。笑わせるところじゃないよ。
 
正直に言いなって。「すみません。お金が無いんです。予算削られちゃったんです。こんなのしかできないんです。ごめんなさい。」ってな。
 
仮にそうだとしても、だからと言ってこの開き直ったようなヤル気のないラインナップはいったい何なんだ!?
私は劇場オープンから毎年足を運んでいるいわば‘お得意さん’だが、過去14年間でも、間違いなく最低かワースト2のラインナップだ。(若杉体制の一年目の時も、絶句するくらいひどかったが)
 
指揮者や歌手などが格下級になってしまうのは、百歩譲って許してやろう。予算を削られれば、当然そこにしわ寄せが来るわけだから。原発問題を引きずって、思うような人選が出来なかったことも理解できる。
だが、少なくとも演目に関して言えば、まさに芸術監督の眼力、意欲、志向、見極めが問われる。プログラミングは、新国立劇場をどうしたいのか、何を目指すのか、という指標そのものなのだから。
 
で、上の演目だ・・・。
 
私がもし理事長だったら、「こんなんでどうでしょうか?」と上程してきた段階で、即刻却下すると同時に、尾高の解任を検討する。「こいつには芸術監督としての能力手腕がない」とな。
 
 ・・・と、書きながらだんだん怒りが沸々と湧いてきたが、気持ちを鎮め、ここで冷静になり、結論を出す。
 
 悪いのは劇場ではない。
日本におけるオペラの位置づけ、浸透度、人気度、ファンの支持が、所詮は「この程度」なのだ。
 だから、超初心者向けの人気演目を並べられて、「この程度の演目をやっておけば間違いないし、客入りも見込めるし、アンケートを取ってもそういう要望が多いし、いいんじゃね??」みたいにナメられてしまうわけだ。
 
 怒ったって何にも変わらない。今後もずっと変わらないだろう。日本のオペラは、おそらく10年後も20年後も、きっと椿姫、ボエーム、カルメン、トスカ、セヴィリアの理髪師フィガロの結婚といった、だいたい10~15くらいの人気演目の周辺をうろちょろし続けることだろう。
期待をする自分がバカなのだ。
 
ま、とりあえず、来年の新国立劇場は、ピーター・グライムズナブッコしか行きません。さようなら、新国立劇場