新国立劇場2023-24新シーズンの公演ラインナップが発表された。
「またそれやるのかよ、いったい何度目だよ」みたいな飽き飽きの再演目、お子様ランチ並みの初心者向け演目がこれでもかと並ぶ、この劇場のラインナップ。期待を抱くのが愚かなことだと分かっているのに、それでもやっぱりチェックしてしまい、そして案の定がっかりしてため息をつく・・・毎年これの繰り返しというわけ。
「まーた椿姫やるよ(笑)。ほんっっと好きだね~。ばっかじゃないの」
「こうもり、コジ、トスカ、何回やれば気が済むんだっつうの」
「トリスタンねぇ・・・キャストはいいんだけど、演出がつまんねーんだよなー、(マクヴィカーなのに)」
かくして、来年度も新制作される2演目だけ行き、残りはパスが早々に決定。はい、サヨナラ。
世の中コスト高に伴う値上げラッシュだが、新国立もご多分に漏れず影響をモロに受けているらしく、開館以来毎年のシーズン演目数を10本でキープしていたのに、ついに9本になってしまった。また、チケット代単価も値上げされた。
「ったく、しょーもねぇ・・」などと言いたくもなるが、実はこうした状況は、日本だけに限らない。世界の歌劇場を見渡しても、同じような事態が見受けられる。新制作が減ったり、コンサート形式上演に変更になったり、という現象があちこちで起きている。
ウィーン、メト、バイエルン、ハンブルクなどいわゆるレパートリー・システムを採用しているメジャー劇場は、かつては3、4日滞在すればすべて異なるオペラ演目を連続して鑑賞出来ることもあった。最近はなかなかなくて、間に入るバレエやコンサートなどを除き、純粋なオペラ公演だと、せいぜい2日連続がいいところ、みたいな状況が結構目に付く。
どこもみんな厳しいんだろうねぇ・・・。
新国立の話に戻ると、3月13日から政府によるマスク着用の新基準が開始となり、これに合わせて劇場ルールにおいても個人の判断に委ねることが発表された。
それ自体はまあいいのだが、笑ってしまったのは、「ただし、以下の場面では、マスクの着用を推奨する」として、その中に「舞台に向けた声援を行う際」という項目があることだ。
あのねぇ・・・。
「ブラヴォー」というコールは、感動によって湧き起こる個人の感情表現であり、感極まって、意識のコントロールを飛び越えて思わず叫んでしまう、心からの衝動で思わず飛び出してしまう、というものではないのか??
「うーん、素晴らしいぞ。もうすぐクライマックス、最後の音が近づいてきたな。よーし、ブラヴォー叫んだろ。叫ぶぞー。えーと、その前にマスクだな。じゃあ取り出して・・・(ガサゴソ)・・・付けて・・・と。よし、これでいいな。準備万端。それじゃ行くぞ、せーーの!!」
くっっだらねぇーーwwwwww