クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2013/1/31 新国立 愛の妙薬

2013年1月31日   新国立劇場
指揮  ジュリアン・サレムクール
演出  チェーザレ・リエヴィ
ニコル・キャベル(アディーナ)、アントニーノ・シラグーサ(ネモリーノ)、成田博之(ベルコーレ)、レナート・ジローラミ(ドゥルカマーラ)   他
 
 
あれ?「今シーズンは『ピーター・グライムズ』と『ナブッコ』しか行かない。」って言ってたじゃないか?いったいどういう風の吹き回しだ?? しかも『愛の妙薬』って・・・。
 
 まあいいじゃんか。許せ。愛の妙薬が聞きたくなったんだよ。耳に心地良い旋律、肩肘張らずに聞ける平易な音楽、単純なストーリー、適度な長さ。いいオペラじゃないか!?
 あのね、言っておくけどね、こういう初心者向けオペラ、決して嫌いじゃないんだから。私が嫌いなのは、「これをやっておけば安泰」とばかりに毎度同じ演目ばかりを上演する風潮。椿姫だってカルメンだって、作品そのものを見下すつもりはまったくないんだからね!
 
 何と言っても今回の上演の最大の魅力は、シラグーサのネモリーノ!彼がネモリーノ役を歌うから聞きに行ったようなもの。その期待にバッチリ応えてくれた。シラグーサの歌は惚れ惚れするくらい美しい!演技もうまいし最高!
 
 ドゥルカマーラ役のジローラモ、じゃなかったジローラミ、彼もイイ味を出していたね。もちろんキャベルと成田さんも悪くない。
 前回の初演の時、思わず釘付けになって、オペラグラスでジロジロ覗きこんでしまったドゥルカマーラの助手の色っぽいお姉さんお二人は今回も健在。ということで、またまた・・・いやあ、いいっすね~(笑)。
 
 新国立劇場は、頭の中が「???」で一杯になるような変な読み替えをせず、オーソドックスの中にも美しく目を引くような演出の物が多いが、今回のプロダクションもまさにそうで、ソフトながら程よく印象に残る良い舞台だと思う。
 
 この日は高校生だと思うが、団体鑑賞が入っていて、私の近くにもまとまって陣取っていたが、一生懸命見入っていて、とても楽しんでいる様子だった。終演後、「ヤバい!ちょーヤバいじゃん!?」とか言いながら、感想を語り合っている彼ら彼女らを見て、なんとなく私も嬉しかった。