指揮 シルヴァン・カンブルラン
チャイコフスキー 幻想序曲ロミオとジュリエット
『どうも。カンブルランです。なんかさー、ちょうどこのオレが来日したのとほとんど同じタイミングでパリ管がやって来たよねー。せっかくオレ様が母国を代表してフランスのエスプリってやつを日本で披露しようとしているのに、なんで来るわけぇ?天下のパリ管なんかが来られちゃ、こっちが霞むじゃんかよ。オレに対するあてつけか?まったくよ。
早い話が、このオレにやらせれば良かったと思うわけよ。こちとら幻想は大得意だよ。なんたって、読響とだけでももう3回も振ってるんだぜ。やっぱ幻想やるんだったら指揮者もフランス人じゃなきゃね。
だいたいよ、フランスを代表する指揮者がここにいるってのに、どうしてパリ管はオレを指名してくれないんだ??そもそもパリ管の音楽監督って、ここんとこイスラエル人、ロシア人、ドイツ人と続いて、今度はエストニアの野郎だろ?自国へのプライドが鼻につくほど高いのがフランスの特徴なのに、パリ管といいパリ・オペラ座といい、音楽監督だけはどうしてガイジン崇拝なんだ?全くわけわからんな。
まあええわ。
ところで、今回の読響どうだった?良かっただろ?どうよこのプログラム。リア王とロミオとジュリエットなんてシェークスピアを並べて、インテリジェンスが溢れてると思わないかい?で、極めつけが悲愴だよ、悲愴。オレの自慢は、フランス物だけじゃなくて、ドイツ物もロシア物も何でも振れるってことよ。もっと言うと、オペラだって得意なんだぜ。そのうち読響でもなんかオペラ作品をやろうと思ってるから、楽しみにしな。
で、どうだったよこの日?
え?何だって? ベルリンフィル、パリ管と続いての読響じゃ、合奏の精密度において分が悪すぎるって?? バカタレが、それを言っちゃオシマイだっつうの!』