2011年8月29日 サントリーホール
指揮 大野和士
合唱 国立音楽大学、東京オペラシンガーズ
並河寿美(ソプラノ)、坂本朱(アルト)
聴いたコンサートの感想をこういう記事にまとめることは実はそれほど苦手ではなく、普段は意外とスイスイ書けてしまうのだが、この公演を振り返って、記事に書こうとしてはキーボードを叩く指が止まってしまい、なかなか進まない。頭の中に感想はあるのだが、それがなかなか文章にできない。
大野さんが作った音楽、東フィルの演奏など、「どういう演奏だったか」を書こうとすると、「そういう次元を越えた特別な公演だった」という思いがそれを遮ってしまうのだ。
指揮者大野和士はこの巨大な作品に真正面から向き合い、揺るがぬ強固な意思で、感情に振り回されずに冷静に曲を解析している。だが、聴いているこっちは一方的に感傷的になり、日本の置かれた状況とを重ね合わせて、心を震わせている。
配られたプログラムに、こう書いてあった。
「復活」・・・この二文字に全身全霊をこめて、皆さんと共に、祈りをささげたいと思います。大野和士
同じくプログラムに掲載されていた第5楽章の歌詞対訳にこう書いてあった。
「よみがえる、そう、よみがえるだろう」
「恐れおののくのはもうやめよう!思いをさだめて、さあ生きるのだ!」
・・・・そういうことなのだ。これで勘弁してくれい。