指揮 エリアフ・インバル
3月と4月の公演で来日できなかったインバルが復活した。来日できなかった公演は指揮者変更にならずにそのまま中止となってしまったが、仮に日本人などの指揮者に変更して公演を決行したとしてもお客さんはキャンセル続出したことだろう。そういうご時世ではなかったというのもあるが、それくらいこの指揮者の存在価値はデカイ。
編成の大きな曲では、おおらかにダイナミックにオケを鳴らせ、熱血的に突き進むイメージがあるが、指揮を見ていると、しっかりと四角い枠を作って、堅実にその中に収めようとしていることが分かる。枠からはみ出しそうになると、ちゃんと制止の合図が下されている。豪快に聞こえるのは、要するにインバルが提示するその枠というか、懐というか、許容量が単純に大きいからであろう。