クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

i-Pod

 関東近県で計画停電を実施中だ。現代の世の中で電気の恩恵を受けていない人はいない。あるのが当たり前だと思っているので、いざ無くなってみて初めてそのありがたさや重要性が分かった。
 夜間に停電が実施された時は、本当に大変だった。真っ暗の中、何も出来なくなって途方に暮れた。さてどうしよう、何をしよう、何が出来るのだろう・・・。その時、私を助けてくれたのが、i-Podであった。
 
 今から20年以上前、私が大学生だった頃、ちょうどその時期に発売されてヒット商品となったポータブルカセットプレーヤー「ウォークマン」は愛用品の一つだった。私は当時から聞く音楽はクラシック一筋だったが、「もっともっと知っている曲を増やしたい」という欲望に駆られて貪るように曲をかき集めていて、そのお勉強道具としてウォークマンはうってつけだった。
だが、やがて使わなくなり、所持品から消えていく。この音楽ジャンルはハッキリ言ってポータブルオーディオには全く向かないからである。
 
 クラシック音楽特有のピアニッシモからフォルテッシモまでのダイナミックレンジの広さ。フォルテはいいが、音楽がピアノ以下の弱さになると歩行中や電車内では周囲の雑音に負けてアウト。「んー、聞こえんなー。」とボリュームを大に回すと、そこに突然フォルテッシモが耳に直撃して「ぎゃー」と悲鳴を上げてしまうわけだ(笑)。
 やっぱりクラシック音楽は、雑音が排された静かな環境で、音楽のひそやかさを固唾を飲んで聞くに限る。演奏家の解釈を通じて、作曲家の真意に迫る思索の旅に立つ。「ながら」では到達できない崇高な境地。これこそがクラシック音楽を聞く醍醐味でしょう。ねー?
 
 そんな私に向かって敢然とi-Podの購入を薦める友人がいた。このブログにも度々登場しているKくんである。
「自宅にある膨大なCDライブラリーがほとんどディスク一つに入ってしまうのだよ!これってすごいことなんだよ!」
「特に海外旅行の際には、威力を発揮するよ!」
だが、私は彼の熱烈な推薦にほとんど耳を傾けない。上記のとおりです、ハイ。よって要りまへん。
 
 業を煮やしたKくんは、ついに強硬手段に打って出た。
 大容量多機能マルチメディアを搭載したスマートフォンを購入したKくんは、これによってそれまで使っていたi-pod機を、私に無償提供してくれたのである。
彼は私の性格をよく知っている。私の扱い方を知っている。口で言って聞かせてもダメだ。実際に使わせてその良さを分からせなきゃダメだ。
 
彼の言っていることは本当だった。CDからのダビングは超簡単で手早く、何十曲、何百曲という新たなライブラリーが完成した。海外への一人旅では確かに威力を発揮し、退屈な時間の穴を埋めてくれた。そして今回の停電で、充電されていたi-Pod機によって、途方に暮れた暗闇の中、あたかも眼を閉じているかのような静かな環境で美しい音楽の調べを楽しむことが出来た。
 
Kくんには既に「キミの言うとおりだ。確かに優れものだね。ありがたく使わせてもらっているよ。」と礼を伝えてある。
だが、それでも移動中などの「ながら」鑑賞に不向きであることには変わりがなく、使用目的が限定されているのも事実だ。
 
Kくんは言う。
「最近のヘッドホンの技術は昔とは格段の差。外部の雑音を排除するヘッドホンがある。動画だって取り込めるんだよ。使用目的を広げることなどいくらでもできるよ。」
 
そ、そーおーですかー。
はあー。うーーむ。(笑)