クラシック、オペラの粋を極める!

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2017/10/12 ロンドン・フィル

2017年10月12日   ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団   サントリーホール
指揮  ウラディーミル・ユロフスキ
辻井伸行(ピアノ)
チャイコフスキー  ピアノ協奏曲第1番、交響曲第5番
 
 
ロンドン・フィル、久しぶりだなあ」と思って調べてみたら、なんと、1988年以来だった。およそ30年ぶりってか!?なんとまあ。
前回の指揮者はテンシュテットだった。なんだか「過去」って感じだなあ。でも骨太の演奏だったことは今も覚えている。その後のウェルザー=メストの時はパスしたってことか。なぜだったんだろ。
 
まあいい。
というわけでロンドン・フィル、噂のユロフスキと待望の来日である。
会場に入ると、お客さんが沢山。ルツェルン祝祭とのギャップにまたしても驚く。
共演ソリストのおかげってことか。あの方が出演しなかったら、ルツェルン祝祭の二の舞いだったのだろうか・・。なんだか複雑だなあ・・。
 
まあいい。
とにかく、ユロフスキだ。
理路整然としたタクト。明確な輪郭作り。客観的な視点。曖昧さを排し、装飾を排し、ひたすら必然の追求という感じだ。感覚ではなく、方程式のような定理。なんだか指揮者というより、物理学者のように見えてくる。クルレンツィスのようなパッションとは対角をなしているのが面白い。
 
K・ペトレンコと同い年らしい。クルレンツィスといいP・ジョルダンといい、クラシック界に若手からの突き上げを感じる時代が到来した模様。大歓迎である。
彼らは一様に、確固たるオリジナリティ、勝負できる武器を持っている。これは強みだ。
 
集客に絶大なる力添えをしてくれた辻井氏。
楽章間に拍手を入れてしまうようなお客さんを連れてきたからといって、私は別に眉をひそめたりしない。
クラシック音楽を極めようと励んでいるリスナーとして、純粋に音楽的観点から一言いわせていただく。
プロの演奏家なら、作品の中から何を見つけたのか、演奏を通じて何を聴衆に伝えたいのか、堂々と打ち出して欲しい。
独特の体の揺すりが目障りだったので、あえて目をつぶって彼のピアノに耳をすませたが、音は聞こえても、「音楽」が何も聞こえなくて、正直びっくりした。