2010年8月28日 サイトウ・キネン・フェスティバル松本
指揮 オメール・メイア・ウェルバー
演出 フランチェスカ・ザンベッロ
アルプスの麓、松本なら少しは涼しいかと思ったが、やっぱり暑かった。開演前に近くの喫茶店で食べたかき氷がやけにおいしかったです。やっぱり暑いときはかき氷だ。
歌手陣は錚々たるビッグネームで、これで御大オザワさんが指揮したらさぞかし凄かったと思うのだが、残念ながら降板。代わりの指揮者は全くの無名の若手で・・・と思ったら、10月にドレスデンで観る予定のダフネ(同じくR・シュトラウス)の指揮者であることが判明し、私の期待はにわかに膨らんだ。
ということで、舞台の上もさることながら、オケピも覗き込んで、この若手指揮者のお手並み拝見。結果は、「なかなかいいんじゃないのぉ!?」でした。
まず、20歳代でこの難解なオペラを振ることができること自体すごい。その若さを前面に押し出して、溌剌として粋が良くて、しかも結構攻撃的なところが好印象。音色の使い分けはまだもう一工夫足りない気がしたが、そんなのはキャリアの構築と共に自然に出来上がってくるでしょう。
サイトウ・キネン・オーケストラはやっぱりうまい。さすがとしかいいようがない。常設ではなく、集まる時に集まって活動する特別編成オーケストラなのに、桐朋学園、斎藤秀雄、小澤征爾という3つの強力な求心パワーで、他の常設オーケストラをいとも簡単に凌駕してしまう・・・何となく、つい先日聴いてきたバイロイト祝祭管を彷彿させる。そうだ、サイトウ・キネンは日本のバイロイト祝祭管だ! ってことは、このフェスティバルは日本のバイロイト音楽祭か??(笑) そんなわけないか。
歌手は皆さん好演。ヴォイトは、最初の方こそディクテーションに難があるように見受けたが、最後のモノローグは見事に歌い演じきって聴衆を釘付けにした。J・ヘンシェル、A・ヘルド、K・ベグリーもさすがの貫禄でした。