クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

音楽祭の風景

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 なんか、旅行記が、本当は音楽祭レポートのはずが、すっかりビール紀行と化してしまっているので、ちょっと元に戻そうと思います(笑)。
 音楽祭が行われる祝祭劇場で見たこと、感じたことを書きます。
 
1 劇場周辺
 「緑の丘」と呼ばれる劇場周辺。まさにその名のとおり、そこは緑に囲まれた公園になっていて、のどかで美しいエリアとなっている。音楽祭がなくても散策には絶好で、観客だけでなく、普段着の地元の人も犬を連れて散歩をしている。また、音楽祭に参加しない普通の観光客もちらほら集まっていて、タキシードやドレスに身を包んだ人たちにカメラを向けたりしている。
劇場のすぐ近くには上記写真のワーグナーの像のほか、妻コジマ、コジマの父のリストの像もあって、多くの人が像と一緒に写真に納まっていた。
 
2 日本人が多い
 びっくりしたのだが、日本からはるばるやってきた方々は非常に多かった。「ザルツブルク音楽祭に日本人が多い」というのなら、分かる。なぜなら、ザルツなら「行こうと思えば行ける」からだ。ツアーもたくさん出ているし、チケットも一部を除き入手はそんなに難しくない。
しかし、ここはバイロイト。長年待たされながらこつこつ申し込み続けるか、高額なツアーに参加するか、ワーグナー協会などに入るか、などの限られた方法しかなく、それ故「世界でも最も敷居の高い音楽祭」なのだ。一人一人に「どうやってチケットを入手したのですか?」と聞きまわりたい衝動にも駆られたが、面倒くさいので、要するに「日本にはワーグナー愛好家が多い。」ということで結論付けておしまい。
 
 ちなみに、聞こえてくる来場者同士の会話の言語から推測すると、来場客のナンバー1はそりゃ当然ドイツ。圧倒的です。次が英語ということでアメリカ人かイギリス人。(オーストラリアとかからも来ているのかなあ?)フランス語やイタリア語も時々聞こえます。もうその次になると、「ひょっとして日本?」って感じなのだ。恐るべし。韓国や中国の人はまだまだ少ないようだ。
 
3 劇場への行き方
 ドイツ国中、そして世界中からやってくるお客さんたち。バイロイト市民なんてほとんどわずかだろうから、みんな市内のホテルに宿泊して、そこからの送迎バスやタクシーでやってくるのかと思ったら、ドイツ人は結構自家用車で乗り込んでくるのだ。劇場の裏手に広大な駐車場があるが、それが埋まってしまう。ドイツ人はマイカーでやってきて、音楽祭の期間中高額に跳ね上がる市内のホテルを避けて、近郊に宿泊しているということだろうか。
 
 私が泊まったホテルは4つ星の大型ホテルだったが、有料でバスによる送迎を行っており、我々もそれを利用した。
 徒歩で向かうことも可能だが、町の中心部から2キロも離れており、しかも丘に登るため結構大変。実際、徒歩は少数派だったと思う。あとは、公共交通機関(バス)という方法もある。
 
4 「チケット譲ってください!」
 これも大変驚いたことなのだが、「チケット求めます!(ドイツ語でズッヒェ・カルテ!)」という紙を掲げて立っている人が多かった。
 
 えー!!!そりゃ無理だろうよ!!世界でも最難関と言われる超プラチナチケットを呑気に余らして劇場にやってくる人なんていないでしょ!?
 実際「あのう、よろしかったら一枚余っているので、いかがですか?」「おお!ありがとうございます。」なんていうやりとりの風景を見かけたのは4日間で皆無、ゼロだった。
 
 ズッヒェをやっている人も、激しく可能性低いということは分かっていると思う。要するに「一縷の望み」ということなんですね。ダメでもともと、入手できたらラッキーということですね。でも、根性がなきゃやれませんね。
 がんばっている人は、その後開演して、第1幕後の休憩中も、そして第2幕後の休憩中も諦めずにやっている。「骨折り損」だと思うんだけどなあ。まあ、確かに、それだけの苦労をしてでも見たい聞きたいという気持ちはわかります。
 
5 氏名チェックはほとんどしておらず
 「バイロイトはチケットの不正入手に神経をとがらせていて、チケットに印字されている住所氏名とのIDチェックをやる」という話を聞いていたが、まったくそんなのはやっていなかった。
 だいいち、上記の「ズッヒェ・カルテ!」の人が運よくチケットを入手できて、晴れて入場しようとしたら、本人確認されて「だめー」となったら、目も当てられない。「ズッヒェをやっている人がいる」ということはすなわち、「本人確認は行われない」ということになる。
 
 だいたい、来場者へのID確認なんてそもそも無理。そんなことやったら、手間取って時間通りの開演ができない。
 私はサッカーのワールドカップにも行ったことがあって、この大会も事前には「正規以外からの入手については取り締まりを行う」とアナウンスされるのだが、実際、やったのを見たことがない。要するに、無理なんですね(笑)。
 
6 休憩時間の過ごし方
 休憩時間になると、入場者全員が外に出る。「出される」という言い方が正しい。客席内にいてはいけない。全員追い出して鍵を閉めてしまう。もっともバイロイトに限らず、欧州はそういうところが多い。
 
 休憩時間は1時間。十分すぎるくらいたっぷりだ。
 観客はカフェやレストランで飲食するか、立ち話に興じるか、散策するかして時間をつぶす。本格的な食事ができるレストランと、軽食や飲み物だけも可のカフェがあり、それぞれ席は十分に用意されている。我々も、まずはカフェで4ユーロするコーヒーを飲んで過ごすことが多かった。
 敷地内には、上記のほかに特設の出店もあって、やはりドリンク類やアイスクリームなどを販売して、いつも行列ができていた。
劇場脇の道路を渡ったところにお土産屋さんがあり、ワーグナーのCDや書籍などを売っている。相棒Oくんは、そこでTシャツを買いました。胸に楽曲の歌詞の一フレーズがプリントされていて、10ユーロくらい。ドイツ語の文字が入ったTシャツはなかなかオシャレでかっこいいですね。あたしゃ買いませんでしたが。
 
 天気が良ければ、上記1のとおり、周辺の散策がとても気持ちがいいので、一時間は結構あっという間に過ぎてしまう。
 
7 開演時間到来のお知らせ
 開演間近を知らせ、観客に入場を促すトランペットとトロンボーンのファンファーレ。音楽祭の名物にして風物詩。
 次の幕に出てくるテーマのフレーズを、15分前に1回、10分前に2回、5分前に3回。観客は20分前くらいになると、そのファンファーレを見ようと正面玄関前にぞろぞろ集まってくる。演奏が終わると、まばらな拍手に時々「ブラボー!」がかかったりして、面白い。これを聴くと「ああ、バイロイトだなあ」と思う人は多いでしょうね。
 
 
 最後に、ご要望のあった私の晴れ姿の写真を載っけました。自分が写っている写真を出すのはブログ開設以来初めて。もう今後はないでしょう(笑)。しかも、恥ずかしいので、小さくしました。拡大して覗かないように。顔は修正してつぶしましたよー。よく見たら、蝶ネクタイがやや曲がっていて、我ながら「イマイチだなー」と思いました。おわり。