クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2010/8/11 バイロイト3

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 この日の観光は、一昨日に見学することが出来なかったワーグナー博物館ヴァーンフリート荘にまず直行した。
 外観ではそれほど大きさを感じなかったが、中に入ると、一階には講堂があり、ワーグナーが使用したと思しきピアノがあり、二階各部屋にはワーグナーに関する資料が展示されていて、非常に充実した、見学し甲斐のある立派な博物館であった。こりゃワグネリアンにはたまらないだろうなー。
 上の二枚目の写真のとおり、ルートヴィヒ2世のお部屋もあった。
 
 中でも目を引いたのは、50年代から60、70年代にかけて上演された音楽祭のステージ写真と出演者の写真の数々。特に往年の指揮者や歌手たちの凛々しいお姿に思わず釘付けになる。サヴァリッシュヨッフムホルスト・シュタインらの指揮者陣、リゲンツァ、フィッシャー・ディースカウ、プライ、ニルソン、コロらの歌手陣、とにかく、当たり前だが、みんな揃いも揃って「若い!!!!」(笑)
 一番衝撃的だったのは、今や超のつく大ベテランでクセのある役をこなしているアニヤ・シリヤ女史のおよそ40年前の「輝いていた、在りし日のお姿」。そのきらめく美貌ときたら!現在しか知らない私にとってはただただ唖然、うろたえるばかりだった。
 
 伝統と栄光に彩られた音楽祭(負の時代のことは置いておき)。演目ごとに歴代の指揮者の名前が紹介されている。
トリスタンとイゾルデ」-カラヤンサヴァリッシュベームクライバーバレンボイム・・錚々たるビッグネームに続いて大植英次さんの名前が・・。うーん、いいのかそれで(笑)。
 
 案の定というか、聞くところによると、2005年、大植さんのトリスタンは気の毒なくらいの凄まじいブーイングだったらしい。
 しょうがないだろうなー。だって、上記の指揮者系列だよ。おそらく観客は大植さんの音楽そのものよりも、‘指揮者の格’という意味でダメ出ししたんだと思う。最初からブーイングされることが決まっていたのだ。だから、これは大植さんの責任ではなく、選んだヴォルフガングさんの責任。大植さんはいい経験をした。それでよろし。
 
 その大植さんがモーストリー・クラシック誌上のインタビューで語っていたのだが、このヴァーンフリート荘の地下には銀行の金庫のような頑丈・厳重な扉があって、そこにワーグナーの自筆稿が保管されているんだって。大植さんは白手袋をはめて、まるで聖書に触れるかのようにページをめくったそうだ。
 
・・・そんなことも思い出しながら、ゆっくりと博物館内を巡った。
 
 外に出たら、すっかり想定の時間をオーバーしていた。本当はこの後フランツ・リスト博物館に行こうと思っていたのだが、時間の関係で取り止め。また次回に来た時の楽しみに取っておくとしましょう。
 
 この後向かったのは、バイロイト郊外にあるエルミタージュ。バスで15分くらい。辺境伯離宮で、広大な庭園と宮殿がある。天気が良くて時間がたっぷりあれば、ここで過ごすのは気持ちがよかったかもしれないが、曇り時々ぽつぽつ雨、しかも午後のオペラ(ジークフリート)のことを考えるとあまりゆっくりしていられない。駆け足気味に散策し、またもや庭園内のカフェで軽くいっぱいひっかけて(懲りない我ら)、市内に戻りました。
 
 ホテルに戻って一休みし、身支度を整えることを考えると、ゆっくりランチタイムを取る時間さえもなかったため、苦渋の選択で、世界的に有名で、どこにでもあるコンビーニエントなレストラン“M”に駆け込む。安上がりで結構でござんした。