クラシック、オペラの粋を極める!

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2010/7/9 読響

2010年7月9日  読売日本交響楽団  東京芸術劇場名曲シリーズ
指揮  シルヴァン・カンブルラン
エカテリーナ・グバノヴァ(メゾ・ソプラノ)、ミヒャエル・ケーニッヒ(テノール
ハイドン  オラトリオ天地創造から序奏
ヴァレーズ  砂漠
マーラー  交響曲大地の歌

 
 なんとも残念なコンサートだった。初めて聴くヴァレーズの曲はしようがないにしても、メインの大地の歌においても、とにかく自分の心に全くと言っていいほど響いてこなかったのである。
 
 原因は何だったのだろう? 演奏が悪かったのだろうか? 自分の体調が悪かったのだろうか? 
 
 カンブルランの音楽が「木を見て森を見ず」だったような感じは確かにした。既に何度も彼の指揮による音楽を聴いていて、以前からかなり細部にこだわる人だと分かっていたが、これまではむしろそれが音楽の完成度を高めるのに良い作用を及ぼしていたと思う。
 だとするならば、作品自体が細かいディティールを積み上げるだけでは太刀打ちできない、高度で一筋縄ではいかない物だということなのかもしれない。
 
 もともと、この作品はマーラーの中でも「難しい」部類に入る。学生時代、マーラーに開眼してむさぼるように聴き漁った時でも、この大地の歌だけはなかなか理解できなかった。この曲の根底にある‘人生の黄昏’のテーマに共感するのは今でも難しい。
 逆に言えば、老いて達観の境地に至った時に初めてこの曲を理解し、共感できるのかもしれない。
 
 ということで、指揮者の解釈や演奏そのもの(ソロ歌手を含む)にケチをつけたい衝動をここはグッと堪え、「心に響かなかったのはひとえに自分が未熟者である」ということにしようと思います(笑)。
 
 だが、それにしてもこの日のプログラムは何だ!?
 天‘地’創造に、‘砂漠’に、‘大地’・・・。タイトルに何となく共通性があるが、それが何だというのだ?単なるこじつけでしかないんじゃないの~??