クラシック、オペラの粋を極める!

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2010/5/11 読響

2010年5月11日 読売日本交響楽団 定期演奏会  サントリーホール
指揮  ユーリ・テミルカーノフ
 
 
 2003年10月のサンクトペテルブルグフィル来日公演によるタコ7番はすんげえ名演だった。音の大きさ、鳴りがとてつもなかった。「やっぱ、ショスタコ聴くならロシアのオケだな」と思ったものである。
 
 しかしながら、ロシアのオケが来日したからといって、いつもショスタコを演奏してくれるとは限らない。ニッポン人はチャイコが好きだからね(笑)。人気において、タコはチャイコにかなわない、残念ながら。
 
 ということで、上記の公演のタクトを振ったテミルカーノフによる読響の演奏に「あの爆演をもう一度!」と期待しようではないか。
 
 で、結果はどうだったかというと、「キターッ!」って感じ(笑)。
 もちろん、サンクトペテルブルグフィルの鳴りにはほど遠い。これはしょうがない。サッカーで言うところの、いわゆる「フィジカルの差」ってやつだ。日本人は日本人のやり方で堂々と世界に臨んで欲しい、岡田ジャパン
 
 会場も湧いた湧いた。ブラボー飛びまくり。日本のオケの演奏会で、団員引き上げ後の指揮者単独カーテンコールは、スクロヴァなどの特別な指揮者を除けば珍しい。テミルにはその資格があった。
 
 ただ、私は思った。
 もちろん演奏は素晴らしかったが、この日聴衆が熱狂したのは、実はこの作品そのものの魅力に触れることが出来たからではないか。
 マーラーの9番、ブルックナーの8番、あるいはオペラのトリスタンにしても、聴き終えて、「良かった」と思うことができるのは、指揮者でもなく、演奏でもなく、実は「曲が素晴らしく、曲そのものに感動した」ということが多々あるのだ。
 ショスタコーヴィチ交響曲にはそういった聴衆の心を捉える作品自体の力が確実に存在する。