ティーレマンは、ドイツ・オーストリア系の楽界において、既に栄光の道を堂々と歩み、‘若き帝王’としての地位を確保している。記事、報道や噂などによれば、そのカリスマ性は「カラヤン、クライバーにも匹敵する」とさえ言われている。いずれベルリンやウィーンに君臨し世界を制覇するのは時間の問題のようだ。
そんなに凄いのか??ティーレマン!
欧州での活躍ぶり、現地で沸騰する人気、うなぎ昇りの評価に比べると、どういうわけか日本での評価がイマイチなのだ。
日本において決定的なダメ出しを喰らったのが、1998年1月にベルリン・ドイツ・オペラと来日した時の「さまよえるオランダ人」だ。
評価は散々だった。評論家も、私の友人達もこぞって酷評した。この私でさえも「なんじゃそれ??」だった。
評価は散々だった。評論家も、私の友人達もこぞって酷評した。この私でさえも「なんじゃそれ??」だった。
実はティーレマンは、そこから更に遡ること5年、1993年7月にローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団と一緒に来日し、東京芸術劇場(池袋)でメインをブラームス交響曲第1番とする公演を指揮した。これが初来日ではないか、と推測する。
ほとんどの人はそんな公演があったという事実を知らないのではないか。何を隠そう、私も、たまたまタダ券をもらったので出掛けたがそうでなければ全く知らなかったのだから。
ほとんどの人はそんな公演があったという事実を知らないのではないか。何を隠そう、私も、たまたまタダ券をもらったので出掛けたがそうでなければ全く知らなかったのだから。
この時の印象も最悪だった。指揮者とオーケストラの相性が水と油で乖離していた。にもかかわらず、自己陶酔し、悦に浸りながら大きい身振りでタクトを振っている姿は、もはや滑稽にしか見えなかった。
果たして、日本では力を発揮しないのか??それとも日本人の味覚に合わないのか??
ちなみに、私が彼の類い希なる才能の片鱗に触れることが出来たのは、日本ではなくやっぱり海外でである。ミュンヘンで聴いたブラームス3番や、バーデン・バーデンで聴いたばらの騎士はそれこそ鳥肌もので、口が思わずぽっかーんと開いた。
頼む!ティーレマン。今度こそヴェールを脱いでくれ。天才の境地をいかんなく発揮してくれ。辛い評価を与えている日本人連中を張り倒してやってくれ。
用意されたプログラムは最高だ。文句無しの圧倒的名演プリーズ!
用意されたプログラムは最高だ。文句無しの圧倒的名演プリーズ!