2009年12月11日 NHK交響楽団 NHKホール
指揮 シャルル・デュトワ
アラベラ・美歩・シュタインバッハー(ヴァイオリン)
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲
ヤナーチェク グラゴル・ミサ
まずアラベラ・美歩・シュタインバッハーのコンチェルトが良かった。切れ味もあり、風格もある。まだ若いと思うが、既に成熟した女性の色気を含んだ立派な演奏だった。
指揮のデュトワについて。
私はもうかれこれN響を20年以上聴いている。その間いろいろな指揮者がN響に深く関わってきたが、総合的に、私はデュトワとの共演が一番いいと思う。お高く留まっているN響にしっかりとダメ出しをし、「もっと上へ」と叱咤し、結果としてレベルが一段上がる演奏をしてくれるのはデュトワをおいていないと思う。
・・・と持ち上げたが、今回のヤナーチェクに関しては「手堅くまとめた」感じ。もう少し迫り来る物が欲しかった気がするが。
もっともまとめ上げるだけでも大変だったに違いない。むしろ、「よく手堅くまとめた」と褒めるべきか。
コンサートは、またいつものフライング拍手によって何とも後味の悪いものになってしまった。
首席オーボエの茂木さんが「拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術」という本を出している。(中央公論新社)私も買って読みました。この日もステージに乗っていた茂木さんは「だ~か~ら~、オレの本を読んでもっとしっかり拍手のタイミングを勉強してくれよ~」と思ったに違いない。
さて、本来ならデュトワの公演は出来る限り行きたいのだが、残念ながら今回はこのCプロのみ。Bプロのショスタコーヴィチ11番は名演の予感が漂う。行きたかった。行く方、感想お願いします。そういうことでOくん、よろしくね!