2009年12月8日 レ・ヴァン・フランセ 東京オペラシティホール
エマニュエル・パユ(フルート)、フランソワ・ルルー(オーボエ)、ポール・メイエ(クラリネット)、ラドヴァン・ヴラトコヴィッチ(ホルン)、ジルベール・オーディン(バソン)、エリック・ル・サージュ(ピアノ)
マルティヌー 六重奏曲
ラヴェル クープランの墓
カプレ フルート、オーボエ、クラリネット、バソンとピアノのための五重奏曲
ライネッケ オーボエ、ホルン、ピアノのための三重奏曲
サン・サーンス フルート、クラリネット、ピアノのためのタランテラ
プーランク 六重奏曲
世界最高クラスの木管楽器奏者たちの華麗なる饗宴。会場は女性、女性、女性。熟女のお方々がいっぱい集まると香水プンプンでたまらないが、若い人が多いので香りもほのか(笑)。そのかわり「っていうかぁ・・」「・・みたいなぁ・・」「・・って感じ?」」という話し声があちこちから聞こえます。(スミマセン)
日本ではブラスバンドだと、なぜか「金管」=男性、「木管」=女性という構図ですよねー。そんな彼女たちにとって、彼らは憧れのアーティストであるに違いない。
特にフルートのパユとクラリネットのメイエ!こいつらメチャクチャうまいに加えて、カッコイイときてやがる。フランスの系譜というのもオシャレだ。許せんよな~。(あ、またまたスミマセン)
レヴァン・フランセの素晴らしいところは、これだけの名手が集まっているのにも関わらず、彼らは決してテクニックの披露に走らずに、ひたすらアンサンブルに徹していることだ。その結果、フルート、オーボエ・・といった個々の音ではなく、木管アンサンブルとしての新たな音色、響きが創造される。
しゃれたフランスのエスプリを聴きながら、「この音色、どこかで聴いたことがあるぞ」と思いを巡らす。
そうだ。遙か昔、パリ管で聴いた木管楽器の音色だ!その昔、パリ管の木管群は、その独特の淡い色彩感で世界最高と形容されていた。
残念ながら今のパリ管には失われつつあるが、その音色がレヴァン・フランセにて受け継がれていることに、何となく安堵感を覚えた。
会場のファン達は大喜びの大拍手、スタンディングオーベーション。きっと心ゆくまで楽しんだに違いない。
だが、一番楽しんだのは演奏したレヴァン・フランセの連中だろう。室内楽は聴く喜びよりも、自分たちで演奏する楽しみの方が大きい-と私は思う。