クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2022/9/9 都響

2022年9月9日  東京都交響楽団  サントリーホール
指揮  大野和士
合唱  新国立劇場合唱団
小林厚子(ソプラノ)、山下裕賀(メゾ・ソプラノ)、福井敬(テノール)、妻屋秀和(バス)
ドヴォルザーク  交響曲第5番
ヤナーチェク  グラゴル・ミサ


前々回の記事に書いたが、このプログラムは、偶然にも私が初めてウィーン楽友協会ホール(ムジークフェライン)でコンサートを聴いた時のメインプログラムと同じなのだ。
つまり、個人的に思い入れがあるプログラムである。

ちなみに、初めて「グラゴル・ミサ」を聴いた公演が都響で、指揮者はズデニェク・コシュラーだった。
その次に「グラゴル・ミサ」を聴いたのが、ウィーン公演で、その指揮者もズデニェク・コシュラーだった。

なんだか色々と繋がって、面白いな。

そういうことで、今回、旅行記を書こうと思い立ったわけだが、ウィーン公演についてはまた後ほど紹介する。
まずは都響について。


前半のドヴォが完全に霞んでしまうくらい、圧倒的なグラゴル・ミサだった。完全に演奏に飲み込まれ、目眩を起こしそうだった。

まあ冷静に振り返ると、オルガンと合唱とソリストが付く大規模で華やかな作品だし、私自身ヤナーチェクが好きだから、演奏云々にかかわらず圧倒的な感銘を受けるのは順当な流れなのだが、それを差し引いても、稀にみるほどの出来栄え。名演と断言してもいいだろうと思う。

実を言うと、前半のドヴォは、私自身のドヴォ苦手(というか嫌い)のせいからかもしれないが、全体としてまとまってはいたものの、ドヴォルザークらしさというか、独特のチェコ民謡風味が欠けているように感じた。なんだか無味無臭だった。

それが後半、一転して、ヤナーチェクらしさ全開、これでもかとばかりの味付け満載で仕上げてきたのだから、面白い。大野さんが作品を手際よく解析し、細部に至るまで丁寧に鳴り響かせていたのは明白。都響も合唱も、滅多に演奏されない作品にも関わらず、しっかりと対応していたのも感心した。


それにしても、ヤナーチェクの作曲技法って、改めて思うが、個性的だ。革新・革命的と言ってもいい。この響きは唯一無二の世界である。もっと見直されていい、もっと人気が出ていい作曲家だと思うけどな。