指揮 シャルル・デュトワ
リサ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)
ブラームス ヴァイオリン協奏曲
バルトーク 青ひげ公の城(コンサート形式上演)
バティアシュヴィリの前回2009年1月のN響との共演によるショスタコーヴィチVn協1番は実に名演だった。その前にもシベリウス、プロコフィエフと協奏曲を聴いて、この人の並々ならぬ才能に注目していたので、今回のブラームスはとても期待したのだが・・・。ちょっと普通だったなあ。‘まあまあ’の域だった。些細ではあったが技術上のかすり傷も見られた。
もし、今回もこれまでと同様に素晴らしい演奏を披露してくれていたら、私は彼女を「好きなヴァイオリニスト」の一人としてカウントしようと思っていたんだけど、残念。
でも、また次回を楽しみにさせていただきますよ。一回の演奏だけで評価を落とすつもりはありません。きっとまた来てくれるでしょ。N響からは連続で呼ばれていることだし、どうやらデュトワにも気に入られているみたいだし。美人だからか??(笑) 容姿が美しいのは得だよね。私だってそりゃ美人のほうがいいもんね。
メインのバルトーク。素晴らしかった!
字幕のおかげもかなりあったが、サスペンスドラマの緊迫感がひしひしと伝わり、物語に引きこまれて青ひげとユディットと一緒に城を探索するかのような、そんな気分になった。デュトワの音作りは今回はかなり濃密で、それが鬱陶しく血なまぐさい城の雰囲気を醸し出していた。こうした情景の描写表現力の見事さはデュトワの真骨頂である。