2015年7月13日 アンサンブル・ウィーン・ベルリン&新日本フィル すみだトリフォニーホール
指揮 ハンスイェルク・シェレンベルガー
30年くらい前だったと思う。激しいライバル意識でてっきり犬猿の仲だと思っていたベルリン・フィルとウィーン・フィルのスーパープレーヤーが、なんとアンサンブルを結成。「こりゃ見ものだ」とその来日公演に行った。メンバーは、シェレンベルガー、ライスター、シュルツ、ヘーグナーといった当時の看板奏者たちだった。
極上の名人芸に舌を巻きながら、その時私はこう思ったのである。
「アンサンブルももちろんいいけどさ、せっかく一堂に会して来日したのだったら、それぞれがモーツァルトのコンチェルトとかで競演してくれたら、さぞ面白いのに・・・。」
当時夢見たこの企画が実現した。
やっぱそうだよな。「こんな企画が実現したら、絶対面白いんでないか!?」と考える人はいたというわけだ。しかも指揮者はシェレンベルガー。ナイス過ぎる。
当初はオーボエがベルリン・フィルのジョナサン・ケリーのはずだったが、クレメンス・ホラークになった。急遽の変更事態になったわけだが、これでちょうど創設メンバーと同様のウィーン・フィルから2名、ベルリン・フィルから2名、ウィーン響から1名に。結果的にうまくバランスが収まったと言えなくもない。
どのコンチェルトもそれぞれの楽器、それぞれの演奏者の味が良く出ている。音色に彩りがあるし、コクを感じる。
本来なら優劣などないはずなのだが、それでも前半の最後に演奏したホルンのドール、おおとりを担ったクラリネットのオッテンザマーが、なんとなく大見得を切ったかのような演奏で聴衆を湧かせ、一ランク上の喝采を浴びていた。
それにしても、しかし・・・。
こんなことを言うと叱られちゃうと思うけど、オールモーツァルト・プログラムだと、さすがにちょっと展開に単調さを感じてしまうんだよなあ(笑)。私もまだまだ修行が足りませんな。