クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/11/23 東京佼成ウインドオーケストラ

2021年11月23日  東京佼成ウインドオーケストラ  東京芸術劇場
指揮・クラリネット  ポール・メイエ
ベルリオーズ  序曲ローマの謝肉祭
ベールマン  クラリネットのための軍隊協奏曲
ドビュッシー  クラリネットのための第1狂詩曲
サン・サーンス  交響曲第3番 オルガン付き


世界的なクラリネット奏者メイエが指揮とソロ演奏を担ったコンサート。メイエは以前にTKWOの首席指揮者を務めたこともあり、相性はバッチリといったところ。

そのメイエ。
私はこれまでにレ・ヴァン・フランセのメンバーとしてのアンサンブル演奏しか聴いたことがなく、ソロを聴くのは実質上初めてだったが、いやーもうホントびっくりするくらい上手い。これが本物のクラリネットの音なのだね。じゃあ、これまで俺が耳にしていたクラリネットはいったい何だったわけ?
なんて思わずにはいられない極上の逸品なのであった。

コンチェルトでいつも思うことなんだけど、例えばヴァイオリン協奏曲の時、トゥッティ奏者として伴奏しているオケのヴァイオリンの皆さん、ソロ奏者に対してどんな思いを抱きながら演奏しているのだろうか。

何か参考になることがあるかな、採り入れられるものを見つけたいな、なんて思ってる?
自分とのスケールの違いを感じて愕然としたりしない?
それともトゥッティ演奏の仕事に徹し、淡々黙々と演奏してる?

実に興味深い事柄で、インタビューして聞いてみたいくらい。

TKWOの木管奏者たちの様子を伺ってみると、すごく素直に喜びを感じている様子だし、ワクワク感が溢れている。そして、それが演奏にも現れている。
しかもメイエめちゃくちゃカッコいいときているから、女性奏者の皆さんはソワソワしちゃったりして(笑)。

いずれにしても、メイエの演奏、堪能した。私は明後日もう一回、今度はカルテット・アマービレとの室内楽公演に行く。

メイエが指揮したサン・サーンスの「オルガン付き」については、指揮者が紡いだ音楽というより、管弦楽版を吹奏楽版に仕立てたアレンジの巧妙さに感心した。


さて、本公演の前、11月1日付けで、東京佼成ウインドオーケストラが一般社団法人となることが発表された。つまり、宗教法人立正佼成会から独立し、自主運営していくということである。

これはちょっと心配な件である。
これまでは宗教法人に支えられていたが、今後はそうした補助が受けられない。さらなる飛躍を目指すといえば聞こえがいいが、財政面で厳しくなり、活動が縮小してしまわないか。

TKWOは日本が誇るプロ吹奏楽団だ。私も小学校高学年から中学、高校とラッパを吹いていたので、このオーケストラは憧れだった。特に、吹奏楽コンクールの課題曲の模擬演奏録音テープにはお世話になった。
同様に、この団体に憧れている中学生高校生のブラバン生徒はたくさんいるだろう。「東京佼成に入団したい!」という夢を抱いている若者だっているに違いない。

これまでのように、これまで以上に、日本の吹奏楽をリードしていってほしい。どうかそういうバンドであり続けてくれますように。