クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2009/9/23 南バイエルンとアルペン街道

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 ダッハウのホテルをチェックアウトした後、ミュンヘン中央駅まで出向いて、そこでレンタカーを借りた。
 もともとはフッセン近郊(ノイシュヴァンシュタイン城あたり)へのドライブを企画していたものであるが、例によって行き先変更。アルペン街道を辿り、オーストリア国境近く、ベルヒデスガーデンと並ぶ‘ドイツアルプスの奥座敷’ミッテンヴァルドを目指す。

 アルプス、ドライブ・・・「天気」こそが全てであると言っても過言ではない。天気さえ良ければ万事オッケー、天気が悪ければ全てアウトである。

で、写真をご覧ください。完璧な晴天!
うれしかった。天に祈ったかいがありました。今回の旅行のハイライトとなりました。

 慣れない左ハンドル、ウィンカーとワイパーが逆、マニュアルシフト、一方通行が多くてなおかつ混雑しているミュンヘン市内等々難しい面もあるが、とにかくミュンヘンさえ抜けて外に出てしまえば、あとはどうってことない。そこは快適なアウトバーンとのどかな田舎道なのだから。


 まず最初の目的地、ミュンヘン近郊のリゾート地シュタルンベルグ湖へ。
 私が目指したのはベルグという湖畔の小さな村。バイエルン国王ルートヴィッヒ2世が幽閉され、そして謎の死を遂げた場所だ。入水自殺したとされるその現場には上記写真のように十字架がひっそりと立っている。熱心なワーグナーファンの巡礼地になっているようだ。

 だが、ひょこっとフラっと出掛けてみたら、とんでもない目に遭うこと間違いなし。場所は簡単に見つけられません。かなり難易度高いと思うよ。徒歩や公共交通機関では厳しいですね。

 私が初めて訪れた時は、場所を見つけることが出来ず、その数年後に再チャレンジしてリベンジを果たした。今回二度目にもかかわらず、「あれ?どこだっけ?ここか?あらら?」とやっぱり迷った挙げ句に、ようやく辿り着く。
 ほんの寄り道であったが、小鳥のさえずりと波打ちの音だけという朝の静けさの中、しばしワーグナーを愛した狂王に思いを巡らした。

 再びアウトバーンに戻る。なだらかな丘陵地帯を抜け、快適にアクセルを踏み続けると、やがてアルプスの懐に入り込んでいく。美しい自然とともに私を迎えてくれたのは、放牧されている牛たち。何とのどかなこと!

 次の目的地は山あいの小さな町オーバーアマガウだ。
 避暑地とあって観光客が多い。ドイツアルプスの山荘にありがちなテラスの花々、そしてフレスコ画が壁に描かれた家並みがとてもかわいらしく、美しい。
 この町は10年に一度、町中の住民が参加して開催されるキリスト受難劇の場所として世界的に有名だ。次回は来年とのこと。この祝祭劇場のガイドツアーに参加した。英語のツアーもあったのだが、時間が合わず断念。ドイツ語で言葉は分からなかったが、舞台裏、楽屋を巡り、ステージに上がり、また前回の劇の模様ビデオを見たりして楽しいひとときを過ごす。

 昼食後、いよいよ最終目的地ミッテンヴァルドへ。

 途中、R・シュトラウスが愛した町ガルミッシュ・パルテンキルヒェンを通り過ぎる時に、ドイツの最高峰としてそびえ立つツークシュピッツェ山を望むことが出来る。一度訪れたことがあり、登山電車とロープウェイで簡単に頂上を制することが出来た。山頂からの美しい眺望を思い出し、懐かしさを覚えた。

 午後2時半ミッテンヴァルド着。

 真っ先に向かったのは、絶壁のごとくそびえ立つカーヴェンデル山の頂上。市の外れにロープウェイ乗り場がある。
 いやはや、その頂上からの見晴らしの素晴らしいこと!
 見てください、上の写真。絶景とはこのことなり。こんなに美しい景色を見たのは何年ぶりだろう?ベンチに腰掛け、目に焼き付ける所要時間約30分、散策含めて約1時間、2千メートル級のアルプスを十分に堪能。

 山を下りて、ミッテンヴァルドの町内を散策。10分も歩けば町の端に行き着いてしまうほどの小さい町。ついさっき登ったカーベンデル山は町のいたるところから望むことが出来る。
 散策の途中、たまたま上りのロープウェイにて一緒に乗り合わせただけだというのに、その人たちと再び鉢合わせて、「あれ?また会いましたね!」と笑顔の挨拶。美しい自然は、人と人とのつながりを促し、心を優しくしてくれる。

 美しいカーヴェンデル山を見上げられる絶好ポイントで、カフェのテラスでビールを飲む。こんな田舎町でも、ミュンヘン醸造の有名銘柄ビールを味わえる。
 本日はずっと運転をしていたので、ここまで昼食も含めてグッと我慢してきただけに、喉が「早く流し込め」と騒々しい。望みどおり注ぎ込んでやると、あっという間に幸福感に満ち溢れる。最高だ!私はこのために生きているのだ。この喜びがある限り、私は旅行を続けることだろう。

 調子づいて、ついついビールをおかわりしてしまい、さらにハシゴしてしまった。かなりいい気分、ややふらふらしながら午後6時頃ホテルに戻った。酔いを冷まし、またもう少し立ったら夕食に出掛けよう。
 それまではテレビでも見て、くつろいで、ベッドに腰掛けて・・極楽極楽・・・・

・・・・・   zzzz ・・・


 ガバッと起きあがった。
 一瞬、「ここはどこ?私はだれ?」状態に陥るが、すぐに事態を掌握。ただいまの時間は午前0時45分。「しまった、寝てしまったあ~!!」

 アルプス山麓の小さな町。こんな時間ではもうレストランは全て閉まっているだろう。
 食事を取り損ねた・・・ガクッ。

 それよりも恐ろしいのは、一度寝てしまったので、これで朝まで眠れず、このまま何もすることができない長い夜を過ごす羽目になったらどうしようということだ。
 私は、持参した市販の睡眠導入薬を適正使用量を少々越えて飲み込んだ。おかげで次に目が覚めたのは午前5時。何とか一夜をやり過ごすことができ、ホッとした。