2025年9月27日 バイエルン州立管弦楽団 ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮 ウラディーミル・ユロフスキ
ブルース・リウ(ピアノ)
ワーグナー タンホイザー序曲
モーツァルト ピアノ協奏曲第23番
ブルックナー 交響曲第4番 ロマンティック
最初にオーケストラ名についてだが、公演主催者は「バイエルン国立」と銘打っているが、これまで当ブログで何度も言及しているとおり、私自身は「バイエルン州立」と表記する。
(連邦共和国による運営組織でないにも関わらず、通例によって「国立」と呼び続けるのは、もしかして、「国立」の方が上級ステータスあるいは箔が付いて売り込みやすい、といった打算があるからなのだろうか? 大学「中退」よりも「卒業」の方が見栄えがする、みたいな(笑))
そのバイエルン州立管だが、「音色」が実に良い。
(この場合、「ねいろ」ではなく、「おんしょく」と読んでいただきたい。)
芳醇でまろやか。金属音ではなく木材の感触。強大な音でも決して飽和しない。
「あー、ドイツのオケだなー」としみじみ思う。
ドイツと言っても、南ドイツ、バイエルン地方の民族衣装を羽織った伝統のサウンド。面白いことに、同じミュンヘンの「バイエルン放送響」とも音色が異なる。
こういう独自のサウンドを持つオーケストラはいい。
これがオペラの座付オケなんだからね。普段はピットに入ってのモグラ生活なんだからね。
たまにステージに上がると生き生きのびのびし、演奏旅行だと張り切っちゃうのか(笑)。
なんてな・・。スマン。
で、ふと考えた。
このサウンドは指揮者ユロフスキが作ったものなのか??
バイエルン州立管は、これまでクライバー、メータ、ナガノ、ペトレンコの指揮によって聴いているが、はっきりと印象が異なる。
ならば、やっぱりユロフスキが作ったものなのか。
ユロフスキが作ったというより、彼は「オーケストラの自発的な演奏を促し、それを大きく許容している」のではないだろうか。いや分からないけど。
一つ言えるのは、ミュンヘンで聴いたプロコフィエフ「戦争と平和」、ショスタコーヴィチ「鼻」(共にユロフスキ指揮)では、もっと遥かにアグレッシブで、パンチを効かせていたこと。
ということは、ロシア出身のユロフスキが、今回のプログラム、コテコテのドイツ・オーストリア系プログラムで、オーケストラの演奏判断を大きく尊重した、と言えるのではないだろうか。
あくまでも私自身の感想だが、なんとなくそのように捉えました。
コンチェルトを弾いたブルース・リウの演奏を、初めて聴いた。
小節やフレーズの範囲内で音を自由に転がす遊び心を加えつつ、モーツァルトのテイストはしっかりと外さずに整えていた。持ち味を発揮していたのではなかろうか。