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2018/12/16 パリ管

2018年12月16日   国立パリ管弦楽団   東京芸術劇場
イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)
ベルク   ヴァイオリン協奏曲
マーラー   交響曲第1番
 
 
外来オケ公演のプログラムが毎度同じ曲ばかりで、しかも公演時期さえも重なるのは、頼むから勘弁してほしい。
マーラー交響曲第1番がオケの実力を披露するのに格好の選曲であることは、よーく分かる。
だからといって、なにかとそれを採り上げるのはいかがなものか。
この1か月、バイエルン放響、ミュンヘン・フィル、パリ管と続いた。来年3月にも、ベルリン放響とロス・フィルが見事にバッティングする。
 
「聴き比べが出来て面白いじゃないか」と思う人もいるかもしれない。その意見は人それぞれの楽しみ方として否定せず尊重するが、私自身はそうではない。色々な曲を聴きたいと思うし、鑑賞する曲は、常にフレッシュな状態で聴きたい。
(これで来年になると、すぐにシェヘラザード祭りが始まるんだ。やれやれ・・。)
 
マラ1をフレッシュな状態で聴きたいがために、私はミュンヘン・フィルの一公演を避け、バイエルン放響をキャンセルした。
逆に言えば、パリ管のマラ1は、他のオケのそれを振ってでも、是が非でも聴きたかった。
なぜか。
実力は折り紙付きのパリ管。名手揃いで、繊細かつ色彩豊かな音色を特徴とする名門オケが、マーラーを得意とする首席指揮者の下でどんな演奏をするのか。それを確かめたかったのだ。ドイツ系オケのサウンドとは違った、個性的な演奏になるに違いない。そう睨んだのだ。
 
目論見どおりだった。思わずニヤリ。
鮮やかで、きめ細やかで、視界良好、クリーンなマーラー。華やかでありながら、派手さは程よく抑えられ、なんだかファッショナブルなフレンチマーラー
すごくカッコいい。素敵だ。そして、面白い。
 
指揮のハーディングにも感心した。この人のマーラー新日本フィルなどで何度も聴いてきたが、構造の解明に長ける一方、時に実験的で、時にディティールにこだわり、時に利己的な解釈が目立っていた。それはそれで十分に刺激的ではあったが。
 
この日のタクトは、非常に俯瞰的。まるでリモコン操作をしているかのよう。オケが違うとこうも違うものか。
 
心配された足の怪我の影響は、まったく無し。どうぞお気をつけて帰国してくださいな。
来年3月はベルリン・フィルに登場し、再びマラ1を振る予定。準備は十分に整ったことだろう。
 
さて、前半のベルク。こちらも事前の期待度は高かった。
オケ曲好きなら、「田園」と「マラ1」という両方ともメインプロにできそうな二曲が並んだ18日(本日)の公演プロを選ぶかもしれない。
だが私は、「こっちの方が面白い」と感じて、ベルクのコンチェルトが入ったプロを選択。
 
だというのに・・あろうことか、居眠りコケて第二楽章をほぼ棒に振るという大失態。
ベルクの音楽、ファウストの演奏、よっぽど心地よかったのかなあ(笑)。