2024年2月18日 マキシム・ミロノフ テノール・リサイタル 浜離宮朝日ホール
マキシム・ミロノフ(テノール)、ジュリオ・ザッパ(ピアノ)
ロッシーニ 「ブルスキーノ氏」、「アルジェのイタリア女」、「セヴィリアの理髪師」よりアリア、歌曲集
ベッリーニ 歌曲集
モーツァルト 「魔笛」、「コシ・ファン・トゥッテ」よりアリア
ドニゼッティ 「ランメルモールのルチア」よりアリア
ベルカント・オペラの貴公子、いざ東京に降臨。
マキシム・ミロノフ。ロシア出身だが、ロッシーニ、ドニゼッティ、ベッリーニなどを主要レパートリーとして活躍するテノールだ。日本にも度々来日して藤原や新国立に出演しており、お馴染み。ファンも多いのではなかろうか。カッコいいしな。
私自身は、彼が出演したオペラをこれまでに3回鑑賞しているが、本格的なリサイタルは今回が初めてだ。
そんなわけで、お得意のベル・カント物で見事な歌声を披露し、お客さんを大いに沸かせた。
配布プログラムに紹介記事を寄稿した評論家:香原斗志氏によれば、「世界一優美なテノール」なんだとさ。
まあさすがに世界一というのは褒めすぎにしても、「優美」という形容には頷ける。柔らかくて優しい声。極上の堪能とはこの事也。時おり織り交ぜる高音のファルセットも、とろけるように甘い。
プログラムにイタリア物がズラリと並ぶ中、モーツァルトの「魔笛」タミーノのアリアがドイツ語で、この瞬間、はっきりくっきりとニュアンスが変わったのが、面白かった。
また、アンコールで歌った、北原白秋作詞・山田耕筰作曲の「この道」は、じ~んと染みた。
日本語なのでさすがに譜面を見ながらだったが、日本語特有の母音・子音の扱いは違和感がなく、お見事だった。
それにしても・・・。
本公演のS席のお値段1万円。
6月来日のロベルト・アラーニャのS席のお値段2万9千円。
アラーニャの方、いくらオケ伴奏付きとはいえ、この差は何??
たしかミロノフって「世界一優美」なんでしたよね? 香原センセ??