クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2015/5/7 プッチーニ三部作

2015年5月7日   ライン・ドイツ・オペラ(デュッセルドルフ
プッチーニ  三部作(ジャンニ・スキッキ、修道女アンジェリカ、外套)
指揮  アクセル・コーバー
演出  ディートリッヒ・ヒルスドルフ
ブルーノ・バルメッリ(ジャンニ・スキッキ)、ブリギッタ・ケーレ(ラウレッタ)、シルヴィア・ハンヴァージ(アンジェリカ)、ルネ・モルロック(公爵夫人)、アノーシャ・ゴレソルキ(ミケーレ)、グスターヴォ・ポルタ(ルイージ)、モレニケ・ファダヨミ(ジョルジェッタ)   他
 
 
うーーむ・・・。
今、こうして鑑賞記を書こうとして、何も書くことが思い浮かばない・・・。特筆すべきことがなく、キーボードを叩く指が動かない。
 
 プッチーニ三部作を上演する場合、たいてい「外套→修道女アンジェリカ→ジャンニ・スキッキ」の順になる。今回は「ジャンニ・スキッキ→修道女アンジェリカ→外套」の順だった。
 ジャンニ・スキッキそれから修道女アンジェリカまでは、私も上演を楽しんでいた。大好きな作品なので音楽そのものに魅入っていたし、お芝居にも集中出来ていたと思う。喜劇のジャンニ・スキッキでは(別にこの公演に限らず「普通」にやれば大抵そうなるが)、会場から何度も笑いが起こり、とても雰囲気が良かった。修道女アンジェリカでは、主役を務めたシルヴィア・ハンヴァージの熱唱を耳を澄ませて聴き入っていた。今、特筆すべきことを思い出せないからといって、決して上演が退屈だったということはなかったのだ。
 
原因は分かっている。
 
三番目の「外套」から、私は目の前の舞台のことよりも、頭の中で今後のことを考えてしまったのだ。
ダルムシュタット行きを決めたのは本当に正しい決断だったのだろうか。
明日はちゃんとダルムシュタットに辿り着けるのだろうか。
明後日はちゃんとここデュッセルドルフに戻って、無事に帰国の飛行機に乗れるのだろうか。
もし鉄道の手段が失われた場合、どうやってデュッセルドルフに帰ることが出来るのだろう。バスがあるのか?
いっその事、レンタカーでも借りるか・・・。おお、それはなかなかいいアイデアだな。
・・・いやいや、そもそも国際免許証持ってきてないじゃんかよ。ばっかだなあ、オレ・・・。
いずれにしても、不安だよなー。
・・・・。
 
要するに、舞台なんかそっちのけになってしまったのである。
そりゃ鑑賞記を書こうにも、何も浮かばないわな。
 
この公演のことは、そのうち忘却の彼方と消えるだろう。
大好きな作品だったのに。旅行前は楽しみにしていたのに。
それもこれも、すべてドイツ鉄道のせいだ。このやろう。
 
そうだ、もう一つ。
悲劇のジャーマンウィングス墜落事故。この飛行機に二人のオペラ歌手が登場していたことは以前の記事にも書いた。そのうちの一人、バリトンのオレグ・ブリヤクはライン・ドイツ・オペラの専属歌手だった。劇場内に彼を追悼するメモリアル掲示があるという情報を私はニュースで得ていた。なので、旅行前、それを探し出し、密かに黙祷を捧げようと思っていた。
 
この日、そのことさえも私は忘れてしまっていた。かえすがえすも残念。