クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

外国人の名前の読み方は難しい

クラシック音楽を愛好すれば、必ず外国人アーティストにお世話になるので、この問題は切っても切れない。まあ、「大きな問題ではない、些細なこと」と言えばそれまでだが、やはり気にはなる。

先日、NHK-BSのプレミアム・シアターで放映されたグノーの「ロメオとジュリエット」(パリ・オペラ座公演)を観た。出演者のうち主役の二人は、ロメオがBenjamin Bernheim、ジュリエットがElsa Dreisig。
NHKが字幕で表記した読み方は、「バンジャマン・ベルネーム」、「エルザ・ドライシヒ」であった。

まず、ベルネームさん。
フランス人なので、たぶんその読み方が正しい。
でも、フランス人という情報がなければ、読み方に戸惑う。
私は、2016年8月、ザルツブルク音楽祭で彼の出演キャスト名を見た時、Bernheimというスペルからてっきりドイツ系と思い込み、「ベンヤミン・ベルンハイム」と読んで、そのままそう覚えた。
全然違いましたね。
フランス語は悩ましいんだよなー。

次に、ドライシヒさん。
彼女の場合、ちょっと微妙。ドイツ人なら、例えばライプツィヒ(Leipzig)のようにGを「ヒ」と読み、ドライシヒで正解だと思うが、実はフランス人。ただし、父がフランス人、母がデンマーク人のハーフで、苗字に繋がるご先祖さんのルーツ言語によって、どのように発音するかが、変わってくるのかもしれない。
ネットで検索しても、ドライシヒ、ドライシグ、ドライジグと分かれる。
コロナのため幻となった2020年のロンドン交響楽団来日公演で、彼女はマーラー交響曲第2番「復活」のソリストとして、日本に来る予定だった。その時の招聘エージェントは、「ドライジグ」と表記していた。
でも、もしかしたら「ドライ」じゃなくて「ドレイ」かもしれないし。
わかんないね。難しいね(笑)。


亡くなっちゃったStephen Gouldさん。
一般的表記はステファンだったが、ドイツ語圏で活躍することが多かったので、その方面では「シュテファン」だった。でも、彼はアメリカ人で、アメリカだと「スティーヴン」になるという。

同じくドイツ語圏で活躍中のNina Stemmeさん。
グールドもそうだが、ドイツ語ではSを「シュ」と発音するため、シュテンメと呼ばれることが多く、それが一般的になってしまって、私もそう呼んでいる。でも、彼女はスウェーデン人で、おそらく「ステンメ」が正しいのだろうと思う。

ポーランドバリトン、マリウシュ・クフィエチェン。
私の友人の奥さんがポーランド人で、彼女にクフィエチェンの正確な発音を尋ねたことがある。そしたら「マーリューシュ・キフィエチェン」が近かった。

ウルグアイ出身で、ネトレプコの元旦那さんのバリトン、Erwin Schrott。
スペイン系だし、本人自身もはっきりと「エルウィン」と名乗っているが、一般的にはなぜか英語読みの「アーウィン」。日本とアメリカだけか?
同じくスペイン系のアルゼンチン出身アルゲリッチは、スペイン語なら「アルヘリチ」だが、本人は「みんなが好きに呼んでくれればいいわよ」と、まったくのあっけらかん。さすが姐御(笑)。

楽家じゃないけど、ウクライナ出身のアメリカの女優ミラ・ジョヴォヴィッチは、「私はヨヴォヴィッチ。是非そう呼んでほしい」とはっきり言ってるのに、誰もそう呼んでくれない。さすがアメリカ(笑)。

サッカー界のスーパースター、フランス人のKylian Mbappé。
日本語で「ん」から始まる名詞が存在しないため、「エムバペ」「ムバッペ」などと呼ばれているが、現地での発音は「ンバペ」。
そういや、日本で活躍したカメルーンの Patrick Mboma選手も、同じく「エムボマ」と言われていたな。彼も本当は「ンボマ」。ちなみに、エムバペ選手もカメルーンのルーツがある。

韓国にたくさんいる「李」さん。
テノール歌手でヨンフン・リーとかいるが、発音的には「イ」が近いはずなのに、なぜか外国語表記でLee。昔から不思議なのだけど、なんで??

ロシア人だと、「オリガ? オルガ?」、「ドミートリ? ディミートリ?」、「◯◯ワ? ◯◯ヴァ?」・・・。
もう何がなんだか(笑)。


最後に、海外に行き、現地でオペラ鑑賞すると、そこでたくさんの出演者、キャスト名に遭遇する。
私の場合、自分用のデータベース記録のため、あるいはブログ記事作成のため、キャスト名を日本語にして読み取っているけど、存じ上げない人の場合、ほとんどの読み方はテキトーです。それで合っているのか、まったく分かりません。あしからず。