クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2024/3/1 脇園彩 メゾ・ソプラノ・リサイタル

2024年3月1日   脇園彩 メゾ・ソプラノ・リサイタル   紀尾井ホール
ミケーレ・デリーア(ピアノ)
ロッシーニ   歌劇「湖上の女」、「イングランドの女王エリザベッタ」、「ビアンカとファッリエッロ」、「オテッロ」、「マオメット2世」より   他

 

前日の2月29日は、ロッシーニの誕生日だったそうである。
知らなかった。公演の配布プログラムに書いてあって、それで初めて知った。うるう日なんだね。
プログラムに寄せた脇園さん自身のメッセージの中には、「昨日は58回目の誕生日」、「彼の素晴らしい作品たちとお誕生日を、皆様と一緒に祝うことが出来る幸運」などという、とても粋なコメントがあった。

誕生日の翌日にオール・ロッシーニのリサイタルというのが、偶然なのか狙ったのかは定かでないが、いずれにしても、彼女にとって特別で、レパートリーの核となっている重要な作曲家であることは、絶対に間違いない。

ペーザロのロッシーニ・フェスティバル・アカデミー出身。二期会や藤原に時々いる「なんちゃって在住」ではない、イタリアに本拠を置き、あちらの各地の劇場で歌いまくっている、本物の海外組、脇園彩。その活躍度は、今や日本人の中でナンバーワンではなかろうか。
(彼女自身には、「日本人の中で」みたいな狭い意識は、これっぽっちも持ち合わせていないと思うが。)

場数を踏み、実践と経験を積んだ自信が支える、貫禄のある堂々とした歌いっぷりが、とにかくハンパない。声量とかではなく、スケールが大きいのだ。裏打ちとなっている歌唱技術も盤石。「歌っている」というより、「音楽が鳴り響いている」という感覚。思わず「すっげー・・・」と漏れてしまう感嘆。

日本人の歌手の歌を聴いて、このように圧倒されるのは、なかなか珍しい・・。

あ、また「日本人」というカテゴリーを使ってしまった。そういう枠に当てはめられるのは、彼女にとっていい迷惑だろう。どうもすみません。

今後も益々のご活躍を祈念します。いつか、イタリアの劇場で彼女が出演するオペラを観られたらいいな。