クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2024/1/21 読響

2024年1月21日   読売日本交響楽団   東京芸術劇場
指揮  セバスティアン・ヴァイグレ
ダニエル・オッテンザマー(クラリネット
ニコライ   ウィンザーの陽気な女房たち序曲
ウェーバー  クラリネット協奏曲第2番
ベートーヴェン  交響曲第6番 田園

 

オッテンザマー兄のクラ、うめーー!
彼のソリストとしての演奏を聴いたのは初めて。元々、本公演は彼のソロを聴くためにチケットを買ったようなものであった。
2021年5月、同僚のファゴット奏者ソフィー・デルヴォーとのデュオ・リサイタルに行く予定でチケットを買っていたのだが、コロナのため公演中止。今回、ようやく聴くことが出来たが、いやー、さすがの一言。
「あー、上手な人のクラリネットって、こういう音なのね」と、既存のクラリネット音のイメージが変わってしまうくらい。レンジも広く、高音から低音まで、強音から弱音まで、とにかく自由自在。音が生き物みたいに動き回る。

ソリスト・アンコールでは、超高音、超弱音の微細な音を技巧的に披露し、聴衆を唸らせた。随分と不思議な曲だと思ったら、なんと、本人の即興演奏!

近年は指揮者としても活動の幅を広げているらしい。確か弟のアンドレアスくんも、指揮界に足を踏み入れていたかと思う。兄弟揃って、才能が突き抜けているわけだ。


メインの田園。
調べてみて気が付いたのだが、ヴァイグレが振るベートーヴェン作品を聴くのも、これまた初めて。ドイツの名匠扱いで読響に招かれているから、てっきりどこかで聴いているかと思いきや。

演奏は、オーソドックス。堂々たる王道路線と言えば聞こえがいいが、「これぞヴァイグレ」といったオリジナリティは見受けられない。
もちろん細かい箇所における音作りの形跡は見られるのだが、全体として奇を衒わず、手堅くまとまっているので、特筆すべきことを自分は見つけられなかった。
(こういう演奏の中に特筆すべきことを見つけられてこそ、本物の鑑賞力かもしれず、自分もまだまだだなとも思う。)

もっとも、「田園」の演奏なんて、おしなべてこんなものかもしれない。細工をしたらしたで、「小賢しい、余計なことを・・」と言われてしまう、そんな揺るぎない名曲なのだ。