2024年1月20日 NHK交響楽団 C定期演奏会 NHKホール
指揮 トゥガン・ソヒエフ
リャードフ 交響詩キキモラ
プロコフィエフ バレエ組曲 ロメオとジュリエット
N響の2024-25シーズン定期演奏会(9月~)のプログラムが既に発表されているが、これによると、現在「休憩なし・60~70分程度」のC定期演奏会が、新シーズンから「休憩あり・2時間程度」の、いわゆる普通の演奏会に変更されるそうだ。
元に戻ったわけですな。
まあな、現在はやっぱ中途半端のような気がしていたし・・。
チケット代だって、その割に大して安くなってないし・・。
さて、この日の公演は、ソヒエフのレパートリーの重要な一角を成すロシア物。
プロコフィエフだと、2017年の「オラトリオ イワン雷帝」、「キージェ中尉」「アラとロリー」「交響曲第7番 青春」が、素晴らしい演奏として記憶に残っている。
今回のロメ・ジュリ組曲はソヒエフ自身が選曲し、並べたもので、あくまでも私の印象では、全曲のストーリー性やバレエ音楽としての情景の描写よりも、管弦楽曲、組曲の構成をまずしっかり形取った上で、個々の曲の中で情感を見出そうというアプローチのような気がした。
そして、いつものようにソヒエフらしい精密な音楽作りが、抜群に巧み。
極上のアンサンブルで色彩感豊かに楽想を飾る一方、各パートのソロの浮かび上がり方も美しく、ここぞとばかりにキラキラと旋律を奏でるN響トップ奏者たちの腕前もお見事としか言いようがない。
と言いつつ、心に沁みたのがフルート、オーボエのトップ奏者の音色だったが、もしかしてお二人は今回客演の方だった??
客演といえば、コンサート・マスターの郷古さんも「ゲスト」という肩書だが、本当に堂々としていて、合奏をグイグイとリードしている。大股開きの弾き方も、かなりカッコいい。(笑)
一曲目のリャードフは、いかにもリャードフらしいロシア民族色に溢れた作品で、旋律も優しく、いい曲だなとは思うが・・・なんとなくそれだけで終わってしまう感じがなくもない。
残念だけど、この作曲家の作品は、いつもプログラムの前菜に添えられる程度。メインとなるような決定打の作品が無いので、損をしていると思う。惜しいね。
話をソヒエフに戻すが、実は再来月の3月、ドイツのバーデン・バーデン・イースターフェスティバルで、彼がベルリン・フィルを振る公演に行き、鑑賞する予定になっている。
昨年はウィーン・フィルの来日公演、そして今度はベルリン・フィル。世界の2大オケを制した華々しい活躍ぶりを、しかと見届けたいと思っている。