クラシック、オペラの粋を極める!

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静岡国際オペラコンクール 韓国勢上位独占の衝撃

静岡にゆかりがある伝説の歌手、三浦環を記念して創設された静岡国際オペラコンクール。
第9回目の開催となった今年、11月5日に本選の結果が発表され、表彰の対象である第1位から第3位を韓国人歌手が独占し、話題になったという。
ここで言う「話題」には、「日本の地において、お隣りの韓国にしてやられた」という衝撃、というかショックが含まれている、とか・・。

まあ確かに、スポーツにおいても政治においても、何かと比較され、特にあちらさん側にとっては、歴史問題もあって「ライバル心剥き出し」ということもあり、受けて立った日本側の複雑な胸中は分からないでもない。

私自身この大会の動向について、実は気になっていた。
というのも、その歌声を聴いて「この人、絶対に才能ある!!」と強く確信したメゾの山下裕賀さんがエントリーしていたからだ。

その山下さんは順調に本選に進出。入賞(第3位まで)は間違いないだろう、と推測していただけに、結果を見て、「あれまっ!!」と驚いてしまった。
彼女の才能を韓国勢3人が軽く越えてしまったことについて、私自身も「うーーむ・・」と唸ってしまったのは、偽りない事実なのであった。
(山下裕賀さんは『三浦環特別賞』を受賞したが、これって日本人国籍者に与えられる賞なので、はっきり言って何の慰めにもならんと思う。)


しかし、この韓国勢の躍進について、意外かと言えば、まったく意外でない。
もしかしたら、当然の結果かもしれない。
それくらい韓国人の躍進は世界において際立っている。
それは、海外に行き、特にドイツの各都市のピンからキリまでの歌劇場において、その出演キャストの中に、キムさん、パクさん、イさんらの名前を見かけないことが無いという事実が物語っている。

歌手だけではない。今や、ヴァイオリン、ピアノなどの国際コンクールにおいても、中国勢と共に上位に入賞し、世界を席巻しているのはご承知のとおりだろう。


何かの記事で読んだが、本場ヨーロッパでも「音楽を学びたいのだったら、ソウルに行け」という、冗談とも本気ともつかない話がまかり通っているらしい。また、ウィーンやザルツブルクにやってくる海外からの留学生は、大半が中韓という噂だ。

すっげーとしか言いようがない。いったい韓国で何が起きているのか。
日本の音楽教育関係者は、ちょっとマジで韓国のそこらへんの事情について、学びに行くべきではないか。


日本人でも、音楽大学卒業後、イタリアとかに留学しに行く人は、決して少なくないと思う。
だが、その後、その人たちはどうするのだろう。どういう道を選択するのだろう。
日本に戻ってきて、活動拠点を日本に置いてない?
藤原とか二期会に所属して、それで満足してない?

上で「ドイツの各劇場にその名を見ないことが無い」と書いたが、韓国の人は、各劇場のオーディションを受け、スタジオに入り、座付専属歌手になり、また格上の劇場のオーディションを受けてそこの専属歌手になり、あわよくばソロを目指す、みたいな上昇志向傾向がある。

例えば、静岡のコンクール第1位のパク・サムエル氏は、ベルリン・ドイツ・オペラのアンサンブル所属だというし、第3位のキム・ジャングレ・ノア氏はチューリッヒ歌劇場に定期出演しているのだという。
山下裕賀さんはというと・・・活動拠点は日本。今のところ。

なんか、この違いなんじゃないかなーと思うわけである。


スポーツなんかだと、サッカーにおいても野球においても、才能ある選手は、本場欧州やアメリカへの挑戦の野心を決して隠そうとしない。
音楽だと、途端にその傾向が薄くなる状況が、どうしてなのか、気になる。

なんでだろ。音楽はお金がかかるからかなあ・・。
結局、日本経済の低迷と密接な関係があるということか。