クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/11/13 ニッセイオペラ カプレーティ家とモンテッキ家

2021年11月13日   ニッセイオペラ   日生劇場
ベッリーニ  カプレーティ家とモンテッキ家
指揮  鈴木恵里奈
演出  粟國淳
管弦楽  読売日本交響楽団
山下裕賀(ロメオ)、佐藤美枝子(ジュリエッタ)、工藤和真(テバルド)、須藤慎吾(ロレンツォ)、狩野賢一(カペッリオ)


ノーマークだったが、新たな才能を発見してしまった。
ロメオ役の山下裕賀さん。大器へと変貌する可能性を伺わせる見事な歌唱だった。
歌もそうだが、佇まいが良い。舞台に立っている姿が凛として、落ち着いている。(ロメオという男性役だったから、というのもあるだろうが。)

よくいるじゃないか。「私、一生懸命歌ってます、演技してます」が前面に出ちゃう歌手。
そういうのを感じさせちゃダメなんだよな。
で、山下さんは、スッと物語の中に入り込んでいて、歌手じゃなくてロメオになっている。

また、声のコントロールが上手い。技術がしっかりしているんだと思う。
特にヴィブラートの波長が絶妙。ジュリエッタ役の佐藤さんのヴィブラートが私にとってはちょっと押し付けがましい感じがするので、なおさら山下さんのが心地良く響く。

今回の公演で、私はしっかりとその名を覚えました。これからのご活躍、祈念します。
ていうか、海外に出なよ。中村恵理さんみたいに。あなたならやれるよ、きっと。保証はしませんが(笑)。


指揮の鈴木恵里奈さん。あー、一昨年、新国立劇場研修所公演の「イオランタ」振った人だね。覚えていますよ。
こうしてオペラ公演に携わり、オペラ指揮者として着実にキャリアを積んでいるのは素晴らしい。
ただ、日本の場合、管弦楽に比べ、オペラ文化は根付いているとは言えない。演目もプロダクションも限定されるし。
いっそのこと、あなたも海外に出たら?
劇場叩き上げ指揮者の道。厳しい世界だとは思いますが。


国内オペラですっかりお馴染み、粟國さんの演出。
壁があり、剣のオブジェがかかっており、その壁を真っ二つに割りながら舞台にする装置。
はいはい。いがみ合っている両家の対立、そして引き裂かれた愛し合う二人の象徴化。
分っかりやすいねー。
ま、でもこれくらいの穏当な演出が、日本人向けとしては適しているんでしょうねぇ。いいでしょう、いいでしょう。