クラシック、オペラの粋を極める!

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バスケットボール日本代表に一言

バスケットボール・ワールドカップで、パリ・オリンピック出場権を勝ち取った日本代表「Akatsuki JAPAN」への称賛の嵐がすごい。
フィンランドを撃破したあたりからどんどんと日本中で盛り上がっていき、その活躍と動向が連日のようにテレビニュースで報じられた。最後のカーボ・ヴェルデ戦の視聴率は20%を越えたという。ネットやSNSでも「すごかった!」「感動した!」の大合唱オンパレード。選手たちが東京に凱旋した羽田空港の到着ロビーでは、さながら優勝チームのお出迎えの様相。中継局の一つであったテレビ朝日は、9日に緊急特番を放送するとのこと・・・。

そんな大騒ぎに対して、オレは冷ややかな視線を送る。いやーゴメン。ホント申し訳ない。
だが、ひねくれ者は、どうしても首を傾げてしまうのだ。
「そんなにすごいことなのか!?」と。

いや、分かる。分かりますよ。
アジアのナンバーワンになり、これまでワールドカップやオリンピックで一度も勝てなかった欧州チームを撃破して、パリ・オリンピック出場を決めたのだ。自力で出場権を勝ち取ったのは48年ぶりなのだ。すごいことでしょう、と。

でも・・・冷静に考えてほしい。
オリンピック出場権は、アジア枠があったおかげ以外の何物でもないことを。
もし大陸ごとの出場枠がなく、オリンピックが「純粋な実力勝負によって選抜された世界の強豪だけが集う大会」だったら、どうなった? 出場出来た?

私は改めて気付いてしまった。以前から薄々知ってはいたが。
オリンピックというのは、必ずしもトップ級の実力のある者、あるいはチームが出られるとは限らないということを。「全世界の祭典」を演出するため、お情けで実力が劣っている者やチームも拾い上げている大会なのだということを。


ていうか、さ・・。
そもそも今大会のワールドカップだって、日本は開催国枠による自動出場権だったんだぜ!? みんな知ってるのかよ、その事実を。

で、そのワールドカップ、日本は4か国による予選グループラウンドにおいて、1勝2敗という結果だった。
たまたま「順位決定ラウンド」というシステムがあったおかげで、その後にも2試合が付け加えられたが、もしこの順位決定ラウンドが無ければ、いわゆる「予選グループ敗退」ってやつで、「ハイ終わり」だったのだ。

この「1勝2敗で予選グループ4チーム中3位」という結果を、諸君はどう見ているのか?
この結果は、日本中大盛り上がりの「感動をありがとう!」に値するのか?
これがもし、サッカー・ワールドカップで、ラグビー・ワールドカップで、この結果だったら、諸君はいったいどういう反応をしただろうか?

ゴメンね、ホントに。水を差して・・・。

自国開催だ。だから盛り上がるのは大いに結構。
だが、過剰なもてはやしは、世界のレベルを見渡した時、思わず引いてしまう。現実的に実力が伴っていないのだ。もっとランキングを上げ、NBAで活躍する選手が普通に何人も登場し、世界に伍するようになり、そのうえで正当にワールドカップやオリンピックに出場してほしい。万歳三唱はそこからだ。
と、私は思う。

大勢の人が喜んでいるのに、なぜこんなふうに冷めた目で突き放すように言うのか。
なでしこやラグビーを見てご覧。ブームというのは一時的で、あっという間に過ぎ去る。喜んでいた大勢の人は、あっけなく目移りする。そういうことを、私は知っているからだ。

本当に冷たいのは、実はね、世間一般なんだよ。