「1998年フランス大会」、そしてその次の「2002年日本・韓国共催大会」。
サッカー・ワールドカップ観戦を二大会連続で果たし、各試合会場を駆け巡ったのは、サッカーファンの自分にとって大きな出来事だった。
「だったら、次はユーロだろ! 行くしかねーだろ」
欧州選手権「ユーロ」。マニアにとって、この大会は憧れだ。
ワールドカップの場合、規模が「世界」へと広がっている分、大陸出場枠のおかげで、たとえ最高水準の実力が伴っていなくても出場可能な国がある。(例えばニッポンとか(笑))
ユーロは違う。
欧州は、南米と並び、サッカーの本場。厳しい予選を勝ち抜き、本大会に出場する国は、どこも皆揃って強豪。そこに、最高水準の実力が伴っていない国(例えばニッポ・・あ、しつこいか)は、登場しないのである。
よって、組まれる試合はどれも好カードばかり。だけど、どうせ観るのなら、よりハイレベルな試合が観たい。「引き分けあり」ではなく、「負ければ終わり」の決勝トーナメントがいい。
狙うは準々決勝と準決勝。
計5試合をネットで申し込んだ。
分からないこと、予想がつかないことがあった。
申し込んだはいいが、そもそも当たるものなのか? 観られるものなのか?
決勝トーナメントは皆誰だって観たいだろう。やっぱり高倍率なのだろうか・・どうなんだろう。
全ハズレは悲しい。できることなら2試合くらいは観たいよな。3試合当たれば大喜び。1試合だけでも構わないが、それだとちょっとビミョーかなあ・・そんなことを考えながら、果報を寝て待った。
抽選結果がメールで来た。
準々決勝3試合、準決勝1試合が当選。5分の4という高確率。
狂喜乱舞!!
私は自宅の部屋で喜びを爆発させ、アホのように踊り回った。
冷静になり、落ち着いてすぐに次の準備に着手すると、関門が立ちはだかった。
ホテルの確保である。
当たり前の話だが、こうしたビッグイベントが行われる時、ホテルの需要は急激に高まり、価格は高騰する。にも関わらず、どこも満員御礼となる。
私が普段利用する「三つ星クラス」「一泊だいたい一万円くらい」という条件下でのお手頃ホテルは、郊外なら見つかったが、市内はほとんど皆無。自力手配はお手上げだった。世の中、そう甘くはなかった。
私は、当時懇意にしていた、とある旅行会社(オペラツアーを手掛けていた)の社長にすがった。
「なんとかなりませんかねえ・・」
社長は頼もしかった。
「なんとか探しましょう!」
そして、本当にお手頃ホテルを探し出し、バッチリ予約してくれた。さすがは旅行会社。
値段は普段の自分の予算よりは高かったが、十分に許容範囲内。ビッグイベントが行われるのだから、ある程度値段が高いのは仕方がなく、受け入れなければならない。逆に、「どこも満室」という状況下で本当によくまあ見つけてくれたものだと、感謝感激だった。
飛行機も手配し、これで準備は整った。
最後に残った、最大の関心事項。
私が観戦する試合が「どこ対どこ」になるのかである。
大会グループリーグの一戦一戦をテレビ観戦しながら、動向を注視。出発直前になって、ついに観戦予定の準々決勝の対戦カードが決まった。
「ポルトガル対イングランド」
「フランス対ギリシャ」
「チェコ対デンマーク」
(観戦カードではないが、もう一試合は「スウェーデン対オランダ」)
ポルトガルには、ルイ・コスタやフィーゴがいる。(当時はまだ若手だったが、クリスティアーノ・ロナウドもいた。)
イングランドには、ベッカムやオーエンがいる。
フランスには、アンリやジダンがいる。
チェコには、ネドベドやポボルスキーがいる。
デンマークとギリシャには、超が付くスーパースターはいないが・・まあいいだろう。グループリーグで、デンマークはイタリアを、ギリシャはスペインを、それぞれ得失点差で押し退け、勝ち上がってきた。
ちなみに、強豪ドイツも、オランダ、チェコと同居した死のグループで撃沈。やっぱりユーロはどこが勝つか分からない、どこが負けてもおかしくない、壮絶なる激戦大会だ。
ということで、対戦カードに不足なし。
それでは、いざポルトガルへGO。初訪問!