クラシック、オペラの粋を極める!

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スポーツをネットで観る時代

プロボクシング・バンタム級井上尚弥対N・ドネアの試合は戦慄だった。
ドネアは年齢こそベテラン域だが、元5階級の制覇者であり、主要4団体すべてで王者になったことがある殿堂入り確実の名ボクサー。前回の対戦でも壮絶な戦いを繰り広げており、今回も白熱の試合が期待されていたのだが・・・それをたったの2ラウンドで粉砕とは!!
信じられん。井上、強すぎる。

多くの人がモンスター井上のことを「日本プロボクシング史上最強」と称える。その看板に偽りなし、称賛に異議なしだ。単なる「日本人として」ではない。権威ある専門誌のパウンド・フォー・パウンド(重さの階級を超えたランキング)で、ついに世界1位になった。考えられない。ロマチェンコよりもS・アルバレスよりもT・クロフォードよりも上だなんて・・・。
こんなすっげー日本人選手、見たことない。もしかしたら今後もう二度と見られないかもしれない。
そういう意味で、彼のファイトは必見。絶対に見逃してはならないのだ。


だというのに、試合中継は普通の民放テレビでもBS放送でも放映されない。ネットTV(アマゾンプライム)による独占配信だった。

人気スポーツなど誰もが観たいと思うキラーコンテンツの放映権を高額で買い取り、金を払って契約した視聴会員のみに提供する独占配信は、何も今に始まったことじゃない。
例えば、英プレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグなど、人気を誇る海外サッカー。
放映権は、これまでにWOWOWなどのBS放送からスカパーなどのCS放送へ、やがてDAZNなどネットによるビデオ・オン・デマンドへとコロコロと変遷していった。どうしても中継を観たいファンは、そのたびに頭を抱え、悩みながら、仕方なく金を払って視聴契約を結んできた。
そうやって観戦ライフを楽しんでいると、ある日突然値上げのお知らせだったり、契約パッケージの変更だったり、「放映権を獲得できず、中継終了~」のお知らせが届いたりして、唖然愕然、どん底に突き落とされる。巨額の放映権を巡るマネーゲームの末端の犠牲者として、我々はいつも振り回されるのである。

しかも、時代はいよいよネット配信へ。
そうか、そういう時代にもう突入しているというわけか・・・。

FIFAワールドカップサッカー・カタール大会の全試合ライブ中継放映権をアベマTVが獲得して世間を驚かせたのは、周知のとおり。
今回の井上対ドネアだけでなく、先日行われた村田対ゴロフキンの試合も、アマプラが独占。NBAは楽天が独占。

「スポーツなんて、PCモニターやタブレット、携帯などの端末で観るもんじゃねえだろうがよ」などとほざいている私は古い人間である。
若い人たちは、動画をポータブルで気軽に楽しんでいる。それに、やろうと思えばネットとTVをケーブルで結ぶことも可能だし、最新のTV機器やケーブルテレビチューナーには、ネットTVの視聴環境がしっかり整えられている。大画面で楽しむことは可能なのだ。

そうなると、あとはお財布と相談の上、契約加入する決断をすることができるかどうかだけ。

今回の井上戦は、仕方なくアマプラの無料お試しで加入して視聴。無事に観終わったので、お試し期間終了と同時に解約してしまうのも、一つの手。
だが、年会費は思ったほど高くないし、アマゾンの場合、お買い物の即日配送や送料などの特典も結構見逃せないので、このまま継続加入しようかなーと検討中の今日このごろ。

だったら、次戦として予定されている4団体統一王座決定戦も引き続きアマプラでやってくれよと思わず期待してしまうのであるが・・そんな簡単な話ではないのであろう。
なんたって、これだけの大物である。世間の注目度、関心度は高く、こんなおいしいコンテンツはそうは無いのだ。独占放映権を奪い取って一儲けしようという他の配信会社が虎視眈々と狙っているはず。

また、足元を見て、放映権料を膨大に吊り上げて吹っかけてくるプロモーターも大問題。ワールドカップサッカーアジア最終予選のアウェー戦が観られない事態に陥ったことは、記憶に新しい。

「タダで観たい」なんてそんな甘い世の中じゃない、ということは理解しつつ、ファン置き去りの金儲け主義は、やっぱりうんざりだ。