ノルウェーの雄大な景色を堪能し、バカンスを満喫した７月の夏休み旅行。だが、すべて楽しいことだらけ、というわけではなかった。些細なことも含め、幾つかのことでイライラした。
まあでも、これが海外。特に個人旅行だから、何かしら思うように行かないことは発生する。毎度のこと。仕方がないといえばそれまでなのであるが・・・。
その中でも、入国審査については思うところがあるので、今回それについて書いてみたい。
４月の旅行でも、５月でも、そして今回も、空港のパスポートコントロール、入国審査では長蛇の列となって、イライラした。現地に到着し、飛行機から降りて、いきなり最初にぶち当たる関門である。
ハッキリ言う。何とかならんのか、これ。
いや、不安定な世界情勢の中、審査が必然的に厳しくなり、結果として長蛇の列を強いられるのは、道理としては分からないでもない。ヨーロッパは特に、移民、不法滞在、不法就労、テロ対策などに神経を尖らせている。国家の安全保障に関わる重要事項。決して疎かに出来ないのは、まあ確かに理屈としてそのとおりだろう。
そこは否定しない。
が・・。
だからといって、おそらく９５％以上を占める普通の観光客、普通のビジネスマンをターゲットに目を光らせ、厳しく審査することが、どれだけ非効率なことか。本当に今のやり方で残りの数％を鋭く見分け、効果を上げているのだろうか。
カウンターで「滞在の目的は？」とか「滞在日数は？」とか聞いてくるが、それに対するこちらの答えは単なる自己申告であり、その真偽や信憑性も含め、ほとんど意味を為していない。もちろん、一連の受け答えの中から不審かどうかを探っているのだろうが、それを一律的にやっている合理的理由は、いったいどこにあるのだ？
そういったこと、検証してるのか？ オマエら。
いや、してねーよな。
やり方、あるだろうよ。
例えば、ホテルの予約確認書だったり、帰国フライトの予約コードなどを、パスポート番号と併せて予め提出させ、過去の入出国記録、滞在記録と突合し、そこにＡＩ技術を導入すれば、その人物がこれまでどういう行動を取ってきて、今後どういう行動を取る可能性があるのか、予測、察しが付くだろう。知りたい情報があるのなら、電子化したデータをオンラインでアップロードさせる。そうしたシステムを構築すればいいではないか。
その上で、必要事項に関する質問票を回答させ、提出させる。我々旅行者は、出発前に自宅ＰＣやスマホから手続きを済ませておく。
一方で入管当局は、まずデータを機械で処理して精査し、振り分け、選別し、その上で審査官が最終判断し、コントロールする。
入国前に、「あなたはＡです」「あなたはＢ、あなたはＣです」とランク分けされた一次審査結果を電子通知し、そのランクに応じたカウンターを設置して、対面二次審査を実施する。
「すべてを簡略化せよ」と言っているのではない。
「一律的な形式主義ではなく、程度に応じた区分と重点化を図れ」と言っとる。
こうした方法にすれば、少なくとも効率化の面で格段に改善されるだろうし、入国者も事前に手続きを済ませてスムーズに入国できる。
そういう技術導入が可能な時代に突入しているんだぜ。
既に日本では、「Visit Japan Web」という、似たような手続きのシステムを導入している。つまり、出来るんだよ。
中には、「いやいや、個人情報が・・」とか物申す人もいるだろう。
自国民に対してなら、そういうことに神経質になることも分からないでもない。
だが、外国人に対してなら、決まり事として問答無用でいい。大多数の普通の人にとって、やましいことは何もなく、情報提供に何の支障もない。
で、それが嫌だという人間に対しては、入国審査カウンターでしっかりと並ばせ、時間をかけてこころゆくまでたっぷり質問審査すればいい。それだけだ。
現状の欧州のやり方は、時代遅れ。私に言わせれば、「厳しく見てるんだぞ、気をつけろよ」という単なる警告のアピールと、「やってます」の自己満足にしかなっていない。そう思う。
パスポートの査証面（紙）に、いちいち「入国許可」のスタンプを手でガチャッと押しているのも、くだらねえ。超アナログ。システムに電子記録すればいいだけじゃんかよ。
今回の旅行では、以上の入国審査だけでなく、出国審査でも長蛇の列が出来ていた。
おそらく夏季休暇シーズンに突入し、旅行を終えて帰国する外国人だけでなく、これから旅行に出かける自国民も含めて出国ラッシュに巻き込まれた、ということだと思う。
だが、出国時なんてほとんど審査する事項は無いんだから、上記のとおり出国の電子記録をシステムに登録するだけでいいんだ。いちいちパスポートを提出させて、入国時に押したスタンプ刻印を目で探して、それで「出国」スタンプをガチャッと押す、なんて作業はホント意味がない。いかにも公務員的な無駄な仕事。
まあ、いずれ、いつかは、私が指摘したような方向に向かうとは思うが・・・いったいそれがいつになることやら・・・。俺が気力と体力と金が無くなって海外に行けなくなってからじゃ、遅い。
