クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2023/4/1 フランクフルト

前回の記事で、フランクフルトまでの道のりで驚いたこととして、北極回りのことを挙げた。
もう一つ驚いたこと。今度はフランクフルトに到着した時。

空港のパスポートコントロール入国審査で、そこに旅行者が並ぶ際、以前は各窓口それぞれに列を作っていたが、今回、旅行者を一列に並ばせ、各窓口の直前で係官が「あなたこっち、あなたはあっち」と案内していたこと。

日本では当たり前だよね。
この当たり前のことが、ヨーロッパでは意外と出来ていないわけ。
これ、入国審査官によってスムーズにチェックする人と、ねちねちと時間をかける人がいるから、運悪くなかなか進まない列に並んでしまうと、結構ストレス溜まるんだ。みんな分かると思うけど。

挙句の果てに、ですよ。
入国審査官が「はい、自分の時間はこれまで」とばかりに終了になると、たとえそこに長蛇の列が出来ていたとしても、突然窓口のシャッターをガシャーンと締めてしまうんだ。
信じられる?
並んでいた人は、ぽっかーんの唖然状態。やがてため息を付き、諦めて、再び別の列の最後尾に並び直す始末。
こんな理不尽なことがまかり通っていたわけさ、以前のフランクフルトは。(フランクフルトに限らんが)
これが改善されていたのは、正直、感動したのであった。


さて、それでは一夜明けて、フランクフルトの観光について。

日本とは別世界が、広がっていた。

何のことか分かるよね。そう、マスクの無い世界である。道行く人、人、誰もマスクしていない。

「マスクの着用は個人の判断に委ねる」としながら、周囲の様子、他人の目が気になって相変わらず大多数の人がマスクを外せない日本。(少しずつ外している人は増えているけどな)
別にお上にいちいち指図されなくても、とっくの昔に個人の判断でマスクの着用を止めてしまい、すっかりコロナ以前に戻っているヨーロッパ。

どっちがいいとか悪いとか言うつもりはないが、とにかく景色が見違えるように変わって、なんだかとっても清々しい気分だ。


この日は土曜日。
計画段階では、午後、もしかしたらサッカー・ブンデスリーガ長谷部誠選手や鎌田大地選手が活躍するアイントラハト・フランクフルトの試合が観られるかもしれないと期待し、ずっと日程の正式発表を待っていた。
残念ながら、リーグ機構が決定した開催日が昨日(3月31日)に割り当てられてしまったため、観戦が叶わなかった。
でもまあ、そのおかげで市内観光に充てる時間が増えたわけである。

フランクフルトはもう何度訪れたのか分からないくらい来ており、このため近年はろくに観光もせず、オペラを観たらとっとと次の目的地へ移動、なんていうパターンも多かった。
今回はやはり久しぶりの海外旅行、その一発目スタートということもあるので、原点に帰り、じっくり街歩きをしようと思う。

天気は、くもり時々雨。ぐずついていて、イマイチ。
ホテルを出、まず市内を流れるマイン川沿いをブラブラと歩く。ここは天気が良ければ、河越しから望む旧市街の眺めが良い、絶好のお散歩コースだ。

その川岸にドイツ有数の絵画美術館、シュテーデル美術館がある。これまでに2度訪れているが、久しぶりにまた行ってみようと思い立った。

たくさんの名画が揃っているが、もしかしたらこの美術館で最も有名な作品は、ルーベンスでもレンブラントでもフェルメールでもなく、ドイツの画家ティッシュバイン作の「カンパーニャロマーニャゲーテ」なのかもしれない。「ファウスト」、「若きウェルテルの悩み」などを書いたゲーテは、ここフランクフルト出身なのだ。

シュテーデル美術館の所蔵、フェルメール作の「地理学者」は、ちょうどアムステルダム国立美術館に貸出中で不在であった。

話が逸れるが、このアムステルダムで今、「史上最大、空前絶後」と大評判のフェルメール展を絶賛開催中だ。
全世界で30数点しか作品が存在していないのに、そのうち28点を一同に集めた。中でも、フリック・コレクション(ニューヨーク)にある3点が大陸を越えたというのが、奇跡的な事件。
なぜかというと、フリック・コレクションの所蔵品は門外不出、絶対に貸し出されない決まりなのである。

ところが今回、フリック・コレクション美術館が改装中ということで、幸運にも貸出しの話がまとまったという。フェルメール・ファンなら狂喜乱舞でアムステルダムに行きたいところだろうが、だからといって飛び込みで行っても、鑑賞は困難らしい。というのも、前売りチケットが既に完売らしいのだ。フェルメールの人気、恐るべし。


マイン川を渡り、ちょうど旧市街に入っていくエリアに建つ歴史博物館。

ここを訪れるのも、久しぶり。20年ぶりくらいか。以前に訪れた時に見たはずの展示内容は、すっかり記憶から消えている。中に入って見学したが、なるほど、こりゃ記憶から消えるな、という内容の博物館であった。ははは。

フランクフルト旧市街の中心地、レーマー広場。

ご覧のように、いい感じで中世の風情が漂うが、実際は第二次大戦で破壊され、戦後に再建されたもの。クリスマスの季節は、広場一帯が屋台の出店で溢れ、夜はイルミネーション電飾が灯り、この時期らしいお祭り気分を味わえる。

旧市庁舎内のカイザー・ザール。帝王の間。



前回訪れた時は有料だったが、今回なぜか無料だった。たまたまだったのか、完全に切り替わったのかはわからない。