2023年6月28日 バーミンガム市交響楽団 文京シビックホール
指揮 山田和樹
チョ・ソンジン(ピアノ)
ショパン ピアノ協奏曲第2番
ラフマニノフ 交響曲第2番
今年生誕150周年ということで、ラフマニノフの交響曲の代表作である2番をコンサートで採り上げる日本のオーケストラ公演は幾つかあったが、せっかくなので外来オケで聴きたかったというのが一つ。
ジャパン・アーツ社主催では、交響曲第2番と組み合わせた前半プログラムが樫本大進ソロのブラームスのVn協だったが、チョ・ソンジンのショパンの協奏曲の方に、より魅力を感じたというのが一つ。
そういうことで、文京シビックホールの本公演に足を運んだ。
ちなみに、山田和樹指揮のラフ2は、2012年1月に都響で聴いていて、私が初めて聴いた山田和樹の公演。
また、チョ・ソンジンのショパンのコンチェルトは、第1番は2回聴いているが、第2番は初めてであった。
まず、チョ・ソンジンのショパンがとてもいい。これまで聴いてきた彼の演奏の中でも、一番いい。
テクニックで弾いているのではなく、フィーリングで弾いているのでもなく、作品に深く入り込み、作品の本質を詳らかにしようとする論理的アプローチが非常にいい。
ショパン・コンクール優勝者でも、その後、本格派ピアニストとして順調に成長・出世していく人もいれば、そうでもない人もいて、そこらへん徐々に分かれていくが、おそらく彼は前者であろう。改めてそう確信した。
メインのラフマニノフは、山田和樹によるオーケストラの雄弁な鳴らせ方が際立っていた。「こんなに鳴らすのか!?」と、ちょっとびっくりしたくらい。
なんかこれまでの山田和樹のイメージとは違うし、私が勝手に抱いているラフマニノフのイメージとも違うが、きっと、彼がオーケストラの自主性を尊重し、のびのびと演奏させていた成果なのだと思う。実際、バーミンガム市響は、水を得た魚のように演奏していて、心から演奏を楽しんでいるようだった。
もし指揮者とオケの実際のコンビネーションが、私が掴んだ印象のままであるのなら、きっと良好な関係を維持し、発展的な演奏活動を構築していくことであろう。
開演前の山田和樹のプレトーク。
知人のKさんと雑談をしていたため、その大半を聞き逃したが、最後に客席に入った時に話していたこと。
「私とチョ・ソンジンの顔が似ている説。さらに、藤田真央とも似ている説。ということは、チョ・ソンジンと藤田真央も似ている???」
なにバカなことを言っているんだか(笑)。