クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2023/4/10 バーデン・バーデンからベルリンへ

バーデン・バーデンからベルリンへ移動。4度目、そして最後のベルリン。
シュターツ・オーパーのリング鑑賞は、今宵の「黄昏」で完結。開演時間は午後4時。ホテルで公演に備えた休息を確保したいのなら、できれば午後1時頃にはベルリンに戻ってきたい。

前日、ベルリンからバーデン・バーデンまでは、まず飛行機でフランクフルトに飛び、その後、特急列車に乗り換えた。
この日、前日と行程が逆になり、それであれば、まずバーデン・バーデンからフランクフルトに電車で移動し、飛行機に乗り換えてベルリンに飛ぶというのが、普通のファーストチョイス案だろう。
だが、検討の結果、バーデン・バーデンからベルリンへ電車で移動することにした。
直行電車があったのだ。午前6時32分バーデン・バーデン発で12時32分にベルリン到着する。

と、ここで、ピンチが発生。実際は大アウトには至らなかったが、かなりヤバかった。
時間を追って、状況を説明しよう。

早朝の電車に乗るために、前日中にバスの時刻表をしっかりチェックし、市街の停留所から駅に向かう午前5時50分発のバスに乗ることにした。駅までの距離は5キロ、乗車時間は16分。
5時30分にホテルをチェックアウト、これで余裕のはずだった。

バス停に到着。電光掲示板に示されていた次の運行予定は、6時22分になっていた。

ん? 6時22分? は? えぇー??

いやいやいや。時刻表に5時50分て書いてあるじゃんか。嘘だろ、おい。
な? 頼む、頼むから嘘だと言ってくれ。

6時22分発だと、6時32分の電車に間に合わない。まだ夜が明けておらず真っ暗な時間帯、回りを見渡しても人っ子一人いない。どこかにタクシーはいないか、タクシー乗り場はないか、慌てて付近を探したが、見つけることが出来なかった。

焦りつつ、一方で置かれた状況の原因を頭の中で巡らせる。

「あのー、もしかして・・・今日って、祝日??」

ヨーロッパのキリスト教の祝日、復活祭イースター。その祝日は前日の4月9日(日)であることを知っていたが、もしかして今日も、なのか??
すぐにスマホからググった。復活祭マンデー、祝日。
ビンゴ!

いやこうしちゃおれん。どうするか、頭をフル回転させて検討した。

ちゃんとしたホテルに泊まっていたら、ホテルに戻ってフロントデスクにタクシーを呼んでもらうことが出来ただろう。
ところが、私はホテル代をケチった結果、フロントが24時間対応ではなかったのだ。チェックアウトは黙って鍵を置いていくだけだった。支払いは済ませてあり、早朝なのでホテル側からそれでよいと言われていた。
次に、タクシー配車アプリを起動してみたが、どうやら対象エリア外。アプリは便利なはずだが、場所(リゾート地だが、結局は田舎町)と曜日と時間帯によっては万能ではないと痛感。

苦渋の決断。
仕方がない、速歩きで駅に行こう・・・。

5キロ。グーグルマップのルート検索では、徒歩で65分と出た。
荷物を抱えているのでダッシュは絶対に無理だが、速歩きくらいなら大丈夫だろうし、ギリギリ間に合うだろう。もしかしたら、歩いている途中で通りがかりのタクシーを拾えるかもしれない。
背に腹は代えられない。バスがない以上、残る手段は何とかしてタクシーを見つけるか、歩くか、ヒッチハイクか、それしかないわけだから。

よしっ、頑張ろう! それじゃ出発!
意を決して一歩を踏み出した、ちょうどその時・・・。
なんという幸運か、まさにその時、そこに偶然タクシーが通りがかったのだ。
私は、思い切り手を振ってタクシーを呼び止めた。こうして何とか無事に駅に向かうことが出来たのだ。いやラッキー、ほんとラッキー。

運転手は英語を話せなかったが、ここで私は片手に持つ文明の利器を再び使用する。
グーグル翻訳のアプリを使って、即席の会話を行った。

私「今日って、祝日なんですかね?」
運転手「そうですよ。イースターです。」
私「平日だと思って、バスの時間を間違えました。タクシーを捕まえられて、助かりました。」
運転手「良かったですね。ところで、電車は何時ですか。急がなくて大丈夫ですか。」
私「6時半なので、余裕です。」
運転手「これからフランクフルトに向かって、飛行機に乗るのですか。」
私「いえ、電車でそのままベルリンに向かいます。」

すっげーよ、グーグルって!
これ全部、ケータイを介して日本語とドイツ語でやりとり会話したんだぜ??
これ、無料アプリだぜ!? 信じられん。なんて時代なんだ。
(ただし運転手のおじさんには、『ゆっくり、コンパクトに話してね』とお願いした。)

午前6時、バーデン・バーデン駅到着。タクシーのおかげで、逆に30分も早く到着してしまった。
本当は駅の売店で軽い朝食を買おうとしていたのだが、祝日のため営業時間が変更され、店は開いていなかった。日本はもうすっかり初夏に近いが、こっちはまだまだ冬。朝方の気温は一桁台。分かっていて、ちゃんと冬支度をしてきたのに、それでもホームで30分佇んでいたら、寒くて身体が冷えた。


ベルリンには、ほぼ定刻の12時半に到着。昼食を取り、その後ホテルで休息。よって、またもやこの日の観光はパス。

写真がまったくないのも味気ないので、せいぜいベルリン中央駅でも掲載しておこうか。