クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2022/6/19 ドミンゴ ゲオルギュー コンサート

ドミンゴ ゲオルギュー コンサート   東京文化会館
指揮  フランチェスコ・イヴァン・チャンパ
管弦楽  新日本フィルハーモニー交響楽団
プラシド・ドミンゴバリトン)、アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)、マリナ・モンゾ(ソプラノ)
ジョルダーノ  アンドレア・シェニエより 祖国の敵
ボーイト  メフィストフェレより いつかの夜、海の底に
ヴェルディ  マクベスより 裏切り者め、憐み、誉れ、愛
モーツァルト  ドン・ジョヴァンニより お手をどうぞ
レハール  メリー・ウィドウより 唇は語らずとも
ほか、サルスエラなど


2020年に来日の予定だったパレルモ・マッシモ劇場の引っ越し公演は、コロナのため翌年21年に延期され、結局ダメで22年に延期。
で、今年もまたダメで、来年23年に再々延期。
演目はその度に変更され、「ナブッコ」「ノルマ」から「ボエーム」「仮面舞踏会」へ、次に「ボエーム」から「シモン・ボッカネグラ」へ、そして来年「ボエーム」「椿姫」へ・・。

出たよ、ボエーム、椿姫(笑)。
私にとって最も許し難い安直平易かつ無難な演目への変更の知らせを受け、即座にキャンセル払い戻しを決断したのは言うまでもないが、そのうちの1公演分を今回の特別コンサートに振替可能ということで、「まあそれでもいいか」と振り替えたこの日の公演。

これがもし、振替えではなく新規の公演だったとしたら、果たして私はチケットを買っただろうか。

微妙なところだな。
ドミンゴ、最後の来日公演」という話だし、結局は買っちゃったかな・・。


私が日本でドミンゴを聴くのは、実に20年ぶりだ。
2002年に自身が音楽監督を務めるワシントン・オペラの来日公演で、オテロを歌ったのを聴いたが、全然ダメで、ガッカリだったことを覚えている。「ドミンゴ、もうおしまいか」と思いきや、その後バリトンに転向し、輝かしく返り咲き、オペラ界の大御所として君臨し続けているのは周知のとおり。
海外でバリトン諸役で出演したいくつかのオペラを観たが、円熟の極みで存在感は増し、なおかつ朗々とした美声は健在。ドミンゴは生ける伝説となっている。

81歳。なんと、リッカルド・ムーティマルタ・アルゲリッチと同年齢なのである。
一体なんなんだ、この人たちは・・・。
(ちなみに、秋山和慶さんも同い年)


さて、今回の公演であるが、音楽性だとか歌唱技術だとか、聴く側としてもう完全に超越。そんなことはどうでもよくて、とにかく生ける伝説の名人芸をありがたく拝聴。それしかない。感想は「いやー、参りました。」
以上。

セクハラ疑惑で干された一時期もあったが、それさえも超越しちゃいましたね(笑)。


ゲオルギューは、ちょっとヤバい。
経験と貫禄で何とか乗り切り、観客からも温かい拍手を貰っていたが、往年の輝きは完全に失われている。
単に調子が悪かっただけなのか。
それならいいのだが。