クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

ライブ映像の視聴

コロナの影響により、本場欧米の一流歌劇場で上演される公演を現地で鑑賞することが叶わなくなったのは、悲しい。そうした中、自宅でライブ収録された上演の映像を観るのは、せめてもの慰めであり、救いである。

You Tubeで探せば、様々な作品の劇場ライブが見つかる。
しかし、少々問題があって、画質や音質が悪かったり(著作権上問題がありそうなものは、音質などをわざと落とす措置を取っているとの話である)、日本語字幕に対応していなかったりする。
たとえ無料であっても、ていうか、無料であるがゆえに、色々と制約が多い。

結局頼りになるのは、きちんとお金を払って購入するDVDやBlu-ray のソフトや、NHKなどによる衛星放送の映像である。

なんだか最近Blu-ray ソフトを買う機会が増えた気がする。
昔は、買い集めること自体に満足感を覚えるコレクター的収集について、疑問を呈していた。「観たい物があったら書い、買ったらすぐ観る」派だった。
ところが、レア物の場合、「そのうち」なんて購入を後延ばしにしていると、いつの間にか「在庫終了、次回入荷未定」になり、その時焦る。だから近年は「とりあえず買っとこ」傾向も増えてきた。
今まさにステイホームの時期。ならば、そうしたとりあえず買っておいた物は観るチャンス。「いつ観るの? 今でしょ?」(ネタが色褪せてきた・・)ってなもんなのに、なぜかその時間が取れない。棚に収まったままの未視聴ソフトを眺めながら、「うーん・・・」と唸る今日このごろである。


先日、NHKが放映したR・シュトラウスの「カプリッチョ」を観た。C・ティーレマン指揮ザクセン州立歌劇場のライブである。
これをやってくれたのは嬉しかった。素晴らしいキャスト、素晴らしい指揮者、そして素晴らしい作品。演奏ももちろん究極絶品。
しかし、最後の最後で現実を突き付けられるシーンを目の当たりにし、暗澹たる気分になった。

拍手が無いのだ。なんと、無観客上演だったのである。嗚呼コロナ。
だというのに、劇場は通常のとおり演奏終了後、カーテンコール儀式を行った。
歌手たちが一人ずつ登場し、お辞儀をする。拍手はない。シーン・・・。
指揮者が登場し、演出チームが登場する。拍手はない。シーン・・・。

なんて淡々として寂しく、味気ないのだろう。本来なら、盛大な拍手とブラヴォーコールが飛び交う美しいシーンのはずなのに・・・。

改めて思った。
ライブにお客さんは付き物であり、必要不可欠。そして、観客もまた、上演の成功の一端を担うのだ、と。
美しいカーテンコールが、感動の余韻をいっそう引き立てる。

今はやっぱり異常な事態なのだ。