クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/7/21 九響

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2021年7月21日   九州交響楽団   アクロス福岡コンサートホール
指揮  小林研一郎
スメタナ  わが祖国


このコンサートを発見した時は、一瞬「お!?」と飛び付き、その後「うーん・・・」と考えてしまった。
霧島国際音楽祭を鑑賞するためにはるばる鹿児島にやってきたわけだが、この日の21日はめぼしい公演がない。なので、当初の計画は普通に観光し、夜はメシを食いに出かけ、鹿児島グルメを堪能しようと思っていた。
でもね。
つい探しちゃったのよ。「もしかして、どこかで何かやってない?」って。
そしたら、見つけちゃったわけ。

そこにコンサートがあるのなら、聴くべき。なんたってオイラは「クラシック、オペラの粋を極める!」だからな。

と言いつつ・・・さすがにねー。博多なわけですよ。福岡県なわけですよ。鹿児島からだよ。遠い。躊躇するわさ。
ところが調べてみると、九州新幹線で最速1時間20分で行けることが分かった。私の自宅からミューザ川崎まで出掛ける時間とそんなに変わらない。平日夜公演なのに、鹿児島往復日帰りが出来ちゃうのだ。

次はお金の問題。往復2万円かかる。
九州交響楽団のために?? コバケンのために??
うーん・・・(笑)。

でもやっぱり行こうと決めた。これは九響を本拠地博多で生まれて初めて聴く機会である。それに何と言っても、こういう旅がオレ流ってこと。ヨーロッパでも「今日はパルマ、明日はバルセロナ、明後日はミラノ」なんてことを平気でやるんだからさ。


前置きが長くなったが、公演について。
まず、本拠地のアクロス福岡コンサートホール。本格的なクラシック専用ホールである。雰囲気はいい。東京で言うと、紀尾井ホールを一回り大きくしたような感じ。音響だって申し分ない。本公演を最後に改修工事に入り、しばらく休館となるそうだ。

指揮者コバケン。
本当はオンドレイ・レナルトが振る予定だったが、コロナで来日出来なくなり、その代演だ。

コバケン聴くの、久しぶり。ものすごーく久しぶり。
日本を代表する指揮者で、聴く機会ならいくらでもある。それなのに久しぶりというのは、要するに訳がある。
何を隠そう、あんまり好きな指揮者ではないのだ。
理由。
この人、エモーションがトゥーマッチだから。
で、指揮者自身が音楽に痺れて、悦に浸っちゃっている。感情を揺さぶられるのは、聴き手だけで十分。一度、泣きながら指揮している姿を見たことがあって、ドン引きした。指揮者は自制しなさい。つまり、そういうこと。

で、この日も、まさにそういうコンサートであった(笑)。
さすがコバケンだね。でも、これこそがコバケンなんだよね。
それに、「わが祖国」という音楽は、むしろそんなコバケンに結構合っているのかもしれない。まさにチェコ民族の魂を揺さぶる曲だから。

九響はいい演奏をしたと思う。熱い指揮者にグイグイと引っ張られた、熱い演奏だった。

午後9時43分の新幹線に飛び乗り、午後11時過ぎに鹿児島に戻った。この時間になると、さすがにゴハンを食べられるお店はみんな閉まっている。仕方がないのでコンビニでおつまみとビールを買い、ホテルで一人乾杯。お疲れ〜。