クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2021/4/20 都響

2021年4月20日   東京都交響楽団   東京文化会館
指揮   大野和士
安藤芳広(ティンパニー)
カレヴィ・アホ   ティンパニー協奏曲
マーラー   交響曲第1番


コロナ前までは、特に外来オケが来日公演のメイン曲として「マラ1」を盛んに採り上げる傾向に対し、「ったくワンパターンだよなー」なんて嘆いていたっけな。聴きすぎて飽きが来ることがないように、行く公演を程よく厳選していたものだ。

それが今、コロナでステージ上が密になりがちなマーラー作品は敬遠されるようになり、曲目が変更になったり、公演自体がキャンセルになったりした。
そうなると、途端に「マーラー聴きてぇ」症候群に陥ってしまう。
前回にマラ1を聴いたのは2019年3月のV・ユロフスキ指揮ベルリン放送響。わずか2年ぶりなだけなのに、なんだかものすごく久しぶり感が漂う。ということで、楽しみにしていた公演だ。

楽しみにしていたのは、もう一つ理由があって、何かというと「初めての大野さんのマラ1」であった。

これだけ内外で活躍している指揮者であり、なおかつこれだけの人気名曲なのだから、今まで聴く機会は絶対にあったはず。にも関わらず初めてというのは、よほど私が厳選を絞っていたということか・・・。
ちなみにマイ・データベースで調べてみたら、私がこれまでに足を運んだ「マラ1」公演は、ぜーんぶ外国人指揮者。よって、初めての日本人指揮者(笑)。小澤征爾若杉弘でも今までなかったという摩訶不思議。
何か変なこだわり、決めつけ、偏見でもあったのだろうか・・。そんなことはないと思うんだけどな。

さて、そういうことで今回のマーラー。私が聴きたくて聴きたくてうずうずしていたのと同じくらい、オーケストラ奏者の皆さんもやりたかったのではないか、と思わせるような狂おしい熱演。
こんなにも気合いが入って、集中力が漲っていて、研ぎ澄まされた演奏を聴かされたら、もう冷静ではいられない。心、震えました。

大野さんの手綱捌き、コントロールも抜群に冴えている。押し、引っ張り、抑え、そして煽りながら、音楽を躍動させ、頂点に導こうとしていた。

やっぱりマーラーはいいよなあ。かっこいい。


前半は、珍しいティンパニーがソロを務めるコンチェルト。打楽器が活躍する曲というのは、視覚的に迫るものがあるから、実に楽しいし、盛り上がる。ナイスな選曲だ。


演奏とはまったく関係ないことだし、こんなことを言うのは実にけしからんことだが・・・どうか許してくれ。
作曲家さん、日本に来て自己紹介で自分の苗字を名乗ると、ちょっと難しい問題が起こってしまうなあ。
本人にはまったく罪はないのに。日本語が罪なわけで・・。

随分と前、フィンランドで同苗字の人が首相になったことがあり、ニュースで「アホ政権誕生」という見出しを見て、私は大笑いしてしまった。
人の名前で笑っちゃいけないことは重々承知なのに、でもおかしいんだから仕方がない。
日本語がいけないんだ。
フィンランドにはこの名前のお方が少なからずいらっしゃるようで、本当にごめんなさい、日本人を代表して私が謝ります(笑)。