クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2002/4/25 シュターツカペレ・ベルリン

2002年4月25日  シュターツカペレ・ベルリン   コンツェルトハウス
ブラームス・チクルス パートⅡ』
指揮  ダニエル・バレンボイム
ブラームス  交響曲第3番、交響曲第1番


3月24日の「さまよえるオランダ人」を皮切りにスタートした、およそ1か月に及ぶワーグナー祭りの「フェストターゲ」。全10作品連続上演✕2サイクルというとてつもない仕事を遂行しながら、バレンボイムはこういうコンサートまで‘ついでに’やっちゃうのである。

シュターツカペレ・ベルリンによるブラームス交響曲全曲チクルス第二夜。

全曲といってもたったの4曲、1公演で2曲演奏できるから実質的には二日間だけのコンサートなのだが、ワーグナー連続上演をやるだけでも大変なんだから、そんなに無理しなくてもいいんじゃないの?と思う。オーケストラも本当は休みたいんじゃないの?と思う。

でも、バレンボイムは全然へっちゃらなのである。
ブラームスもやったるで~!! おりゃ~!!」なのである。
元気だよな。すげえパワーだよな。
それに、バレンボイム、こういう「企画物」がほんと好きだよね(笑)。

もしかしたら「ワーグナーばっかりやっていると、やっぱ飽きちゃうから。ブラームスでもやったら、いい気分転換になる。すっきりして、『よし、また明日からのワーグナー、頑張るぞ』みたいになるわな」と考えたのかもしれない。マジかよ・・。

ちなみに、これに先立つ1~2月の「ニーベルングの指環」日本公演でも、やっぱりサントリーホールブラームス・チクルスが行われた。私は「ベルリンで聴くからいいや」とパスしたけどさ。

さて、この時の演奏であるが、なんとなく「良かった」という記憶はあるのだが、正直、鮮烈ではなく、「このような演奏だった」と描写できない。
そう言えば、「明日からのワーグナー、期待してまっせ。よろしく頼みまっせ。」みたいなことを思った気がする。この時の私にとっては、もしかしたら前菜みたいなものだったのかもしれない。
普通に考えたら「バレンボイム指揮のシュターツカペレ・ベルリン」が前菜だなんて、何を言ってるんだかって感じだが・・。

より記憶に残っているのは、ホールのことだ。この時、コンツェルトハウスでの初鑑賞だった。

ベルリンのコンサートホールでは、カラヤン・サーカスと呼ばれる「フィルハーモニー」(言わずと知れたベルリン・フィルの本拠地)が有名だ。ハンス・シャロウン設計による近代的な外観とワインヤード形式のホール。
これに対し、コンツェルトハウスは、外観はギリシャ神殿風の古典様式、内部のホールはシューボックスタイプ。残響が豊かで、時に「響きすぎ」「お風呂場みたい」などと揶揄される。

私はというと、残響たっぷりはそんなに嫌いじゃない。なので、コンツェルトハウスの響きは好印象に捉えた。
それに、何と言っても内装が美しい。
いいじゃないか、こういう豪華なホールで豊かな残響に包まれ、コンサートを優雅に楽しむというのも。
雰囲気というのは大事だ。特に海外ではね。

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