クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2002/4/27 ベルリン4

ベルリン四日目。
この日は美術館や図書館などの複合文化施設「文化フォーラム」内にある、ベルリン絵画館(ゲメルデギャラリー)を訪れた。施設は1998年に建てられたばかりで、まだ新しい(※訪れた当時において)。

f:id:sanji0513:20200728193608j:plain

かつて一つの博物館に収められていた所蔵作品は、ベルリンの東西分裂により、西側のダーレム美術館、東側のボーデ博物館に分けられてしまった。その後、ドイツ統一となり、ようやくまた一つの場所に集められたのだ。

私はかねがね「いつか必ずダーレム美術館に行かなくては!」と思っていた。こうして統合された立派な新美術館を訪れることが出来、感無量だった。

「必ずダーレム美術館に行かなくては」
そう思っていたのには、理由があった。
そこにフェルメール作品があったからだ。しかも2つも。

「紳士とワインを飲む女」と「真珠の首飾りの女」の二作品。

f:id:sanji0513:20200728193635j:plain

f:id:sanji0513:20200728193654j:plain

随分と昔、私は「フェルメール全作品を、所蔵美術館に直接出向いて鑑賞し制覇する」というのを、生涯目標として掲げた。
ポイントは「現地で見る」ということ。来日の展覧会や企画展はダメ。ノーカウント。

この壮大な(?)構想は、私の旅の意欲を大いに掻き立てることとなった。
オペラ鑑賞の旅であってもサッカー観戦の旅であっても、海外旅行を計画した時は常にフェルメールを所蔵する美術館に行けるチャンスを伺う。
そういう意味で、今回のベルリン訪問は、念願の達成に向けたクリアポイントの一つだった。

話が少し横道に逸れてしまうが、この個人プロジェクトは、現在のところ「ほぼ達成」しつつ、あと一つだけを残したまま、なんとなく尻すぼみ。モチベーションも低下し、「もうどうでもいいや」的に落ち着いちゃって、今に至っている。

なぜかと言うと、同じようなことを考え、実際やろうとしている、あるいはもうやっちゃった美術ファンが既に全国に何人もいる、ということを知ってしまったからだ。

私としては「こんなことを考え、成し遂げようとしている自分ってすごい!」(笑)みたいな自己満足、悦に浸っていたのだが、「別にそんなにすごくない、特別なことじゃない」ということが分かって、一気に冷めちゃったというわけ。

たぶんそのきっかけは、朽木ゆり子氏の著書「フェルメール全点踏破の旅」の発刊。
それから小林頼子氏の著作、そしてその後に押し寄せたフェルメール人気、フェルメール・ブームの到来。

私の企ては、朽木さんの本が出る前に独りで思い付いたことだったんだけどな・・・。

かつて私は、「好きな画家って誰?」と聞かれると、「フェルメール」と答えていたが、今はもうそう答えない。そこらにいるにわかファンと一緒にされるのが嫌だから(笑)。
(と言いつつ、私のLINEのアイコン画像は、「真珠の耳飾りの少女」なんだけどね・・。)

ちなみに、あと一つだけ残っている未踏の美術館はどこかというと、アイルランド・ダブリンにあるナショナル・ギャラリー。所蔵作品は「手紙を書く婦人と召使い」。現地には行っていないが、作品そのものは企画展などで何度も見てます。

ダブリン、いつか行く機会があるかなー。行きたいっていえば行きたい街だけどな。
フェルメールを見る目的だけで行くことはおそらくないと思うが、もしかしたら、ギネスビールとラグビーとコンサートの合わせ技なら、いいかも・・。
(ダブリンって、オペラハウスあるんだっけ??)

その前に、まずはコロナが先決か・・・。


話をベルリンの絵画館に戻そう。
お目当てだったフェルメールを別にしても、ここの所蔵作品の充実度は目を見張る。
ルネサンス期のイタリア作品、オランダ、フランドル、ドイツのバロック作品、往年のマイスターによる名画が目白押し。

かといって、ルーブルやロンドン・ナショナル・ギャラリー、メトロポリタン美術館のように建物の展示スペースがばかデカくないので、焦って足早に駆け回る必要がない。一つ一つの作品をじっくり鑑賞することが可能だ。


午前いっぱいを美術館内でゆっくり過ごし、ランチを取った後、今度はすぐ近くにあるコンサートホール「フィルハーモニー」に併設された「楽器博物館」を訪れた。

ここに限らず、これまでにも、例えばブリュッセルだとかアントワープだとかライプツィヒだとか、各地で楽器博物館を訪れたことがあり、展示されている古楽器などを何度も見て回ったが、何ていうか、まあその、つまらないなーと思う(笑)。

要するに、音楽には興味があるが、楽器そのものには興味がないんだな、オレって。

このベルリンの楽器博物館が自分にとっていかに面白くなかったかを如実に語る事実をお知らせしよう。
写真が一枚も残っていないのである。(※ 館内の写真撮影は可であるにも関わらず。)
あっさり見て回って、とっとと退散したということ。
ということで、はいおしまい(笑)。

f:id:sanji0513:20200728193716j:plain