クラシック、オペラの粋を極める!

海外旅行はオペラが優先、コンサートが優先、観光二の次

2020/1/4 仲道郁代 ピアノリサイタル

2020年1月4日  仲道郁代ピアノリサイタル   ミューザ川崎シンフォニーホール
ベートーヴェン  ピアノ・ソナタ第5番、第8番「悲愴」、第14番「月光」
ショパン  バラード全4曲


年が改まって、今年最初のコンサート。
昨年も年始めのコンサートは、ミューザ川崎でのピアノリサイタルだった(萩原麻未)。シリーズとして恒例となっている同ホールの「ホリデー・アフタヌーン・コンサート」である。

仲道郁代さん・・・。
ずっと昔、ファンでした。
ファンになった理由は不純。彼女、当時、めっちゃ可愛かったからね。今も十分にお綺麗ですが。いずれにしても、演奏は二の次(笑)。
日本フィル公演のサブ・メイン・プログラムのコンチェルトを聴きに行き、コンチェルトが終わったらメインのプログラムなんかぶっ飛ばして、彼女の楽屋に押しかけて行ったことがある。
「もしかしたら会えるかもなあ」と思って、桐朋学園大学の学園祭に足を運んだこともある。(会えました)

あの頃、私は、若くて青くてバカでした(笑)。

アイドルとしての仲道さんを追っかけるのをやめて以来、彼女の演奏を聴くのはものすごく久しぶりだ。調べてみたら、なんと、30年ぶりだった。
その間、地道な研鑽と着実なステップアップにより、今や日本有数のピアニストにまで登り詰めた仲道郁代。今回、その成長と変貌の跡をしかと確かめることが出来た。

長年に渡って様々な演奏を聴いてきた経験から、演奏家は、だいたい3つのタイプに分かれると思っている。
もしかしたら、その3つというのは、キャリアの過程における「段階」なのかもしれないが・・。

一つ目は、作品を足掛かりにして、演奏家である自分というものを表現しようとするタイプ。
二つ目は、作品を尊重しつつ、そのどこかに自分なりのオリジナリティを投影しようとするタイプ。
そして三つ目は、自分は語り部に徹して、作品そのものを際立たせるタイプ、である。

30年前の仲道さんは、あくまでも記憶による印象だが、二つ目タイプだったと思う。
今、彼女は、三つ目タイプに移行しつつあると感じた。
作品をものすごく研究しているな、と感じた。

移行「した」ではなく「しつつある」と感じた理由。
作品を際立たせようとする姿勢は強く感じられるが、その演奏はまだまだ主観的で、客観性は薄い。
それはひとえに、作品に対する思いやり、愛情が強いせいだと思う。
三つ目タイプのピアニストには、どこか作品と距離を置くというか、一歩離れたところから見つめる潔さと透徹性が潜んでいる。
演奏に優しさが滲む仲道さん。三つ目のタイプに完全に移行するかどうかは、そこらへんが鍵になるような気がする。

あー偉そうなこと言ってホントすみません、ごめんなさい。